七月十九日の豪雨災害
◯九番(原竹 岩海君)登壇
皆さん、こんにちは。本は後からしっかり読んでいただきたいと思います。
緑友会・新風の原竹岩海でございます。私は、通告に従いまして、三点ほど簡潔に質問をさせていただきたいと思います。しばらくの御清聴をよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、去る七月の十九日に発生しました豪雨災害についてお尋ねをしたいと存じます。改めまして、被災されました皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。この日の豪雨で、福岡県下におきまして太宰府市では残念ながらお一人の方が亡くなられるとともに、千年以上の歴史を持つ重要な史跡の崩壊や、飯塚市などでは町の中心地が壊滅的な打撃を受けるなど大きく報道されましたことは周知のところでございます。このようなことから、今議会は災害復旧対策議会と言っても過言ではないと私は思うわけであります。この異常な豪雨被害は、太宰府市に隣接をする我が筑紫野市におきましても、幸いに人的被害はなかったものの、河川、水田、商店街等その被害は甚大であり、致命的であります。福岡県におかれましては、被害に遭われました商店街等の皆様に対し、特段の金融措置を今議会に図られましたことに、地元住民の一人として麻生知事を初め関係各位に本当に心から感謝を申し上げたいと存じます。
さて、これらを踏まえまして、幾つか質問をさせていただきたいと存じます。本市では、福岡県営河川である宝満川や原川で多くの護岸が崩壊し、その影響によりまして道路通行等に現在でも支障を来しており、早急な復旧が急務となっております。これらの復旧に伴う具体的な対策とその実施時期についてお尋ねをするものであります。
次に、河川のはんらんに伴い道路や農地、農業用施設等が至るところで崩壊をいたしており、これらも早急な復旧が急務となっており、原地区を初め市内における被災地の復旧の見通しと今後の課題等についてお尋ねをするものであります。特に農地の被害では、一部の地域で壊滅的打撃を受けておりますことは周知のところであります。被害農地が、再び収穫ができるその農地に復旧するまでには相当の日数がかかるとのことであります。この間の農業者に対する支援なり援助施策を強く要望をいたしたいと存じますが、いかがでありますでしょうか。
また、県営河川の高尾川沿いに隣接をしている西鉄通り商店街では、今回の大雨に限らず、毎年のように同河川の浸水により商品、備品、通信機器等大きな被害を受けております。これらのことから先般、福岡市長を中心に関係の首長が協議をされ、はんらんした河川の上流域に遊水地や貯水池等の設置を御提案をしておられますが、本件に関して福岡県はどのように対応していかれるのかお尋ねをいたしたいと存じます。
最後に、被災地の同商店街に隣接をいたしております河川は、毎年夕立でもはんらんするという大問題の河川でありまして、災害防止策について福岡県は抜本的対策があられるならば具体的にお示しをいただきたいと存じます。
次に、環境問題についてであります。今回はその中でも産業廃棄物問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
質問に入ります前に、私の基本姿勢といたしまして、産業廃棄物は私たち人間が排出をしているものであり、産廃処分場は責任を持って設置をしなければならないという立場でありますが、我が福岡県では、余りにも産廃に関する問題が多く発生をいたしており、その一部では社会問題にもなっておりますことに憂慮をいたしておるところであります。
まず初めに、県下では産廃等の不法投棄が多く発生をしているとの報道がなされております。県として不法投棄に関して、その投棄物の内容や規模、周辺への影響等どの程度把握をしておられるのか。また、本件の問題に関して今後具体的にどのような対応なり対策をとられるのか、御回答を賜りたいと存じます。
次に、県が実施をされます、いわゆる産廃税は、政府や県並びに市町村が施行する公共事業の廃棄物にも適用されるのか、その金額は試算をしておられるのでありますでしょうか。また、産廃税は、現在産廃に関し問題をしっかり抱えているその自治体に、産廃問題の解決に向けました使途、目的に限定しまして優先的に交付をするべきと私は考えますが、麻生知事の御所見を賜りたいと存じます。
最後に、農業問題についてお尋ねをいたしたいと存じますが、昨日、我が会派の大石議員が農業問題をしっかりと訴えられましたので、私は中山間地域対策について質問をさせていただきます。WTO閣僚会議の農業交渉問題等におきまして、アメリカは、包括通商競争力法いわゆるスーパー三〇一条(知的所有権侵害国・行為の特定と交渉に関する制裁条項)の農業版まで設置をし、農産物の輸入を制限する国に対して自国の法律で非常に厳しい制裁措置をしっかりとる用意があるといった強引な発言等についての報道がなされております。このように、混迷する世界農業の状況下におきまして農業県であります我が福岡県は、平成十三年、全国に先駆けて農業・農村振興条例を施行され、さらにそれを具体化すべく、昨年農業・農村基本計画を策定されたところであり、本件に関しては大変評価されるところであります。これらがそのまま実施をされましたならば、福岡県の農業は持続的に発展するとともに、福岡県民の皆様が健康で豊かな生活を営むことができるのではないかと私は思うのであります。しかし、この農業・農村基本計画を着実に実行をしてまいるためには、多くの時間とWTOを初めとする外的要因など諸問題が山積をいたしておりますことに関しては周知のところでございます。
これらを踏まえまして、全国屈指の農業県であります我が福岡県の中山間地の農業政策等について質問をいたしたいと存じます。我が国農業の原点は山間地の農業であり、私たち日本人はこれらの山間地の景観等の環境を私たちの後世に、でき得る限り維持をいたしてまいらなければいけないと思うときに、近年、若者の農業離れや企業によりますその投機的な農地の取得、そして産業廃棄物等による環境の汚染などが大きな社会的な問題となっておるわけであります。このような山間地域では、特に農家の高齢化が著しいことから、担い手の育成が急務であると考えるところであります。
そこで質問でございますが、担い手施策の一つとして、福岡県が毎年実施をしている中山間地域等直接支払交付事業の八億円余の交付金制度だけではなく、この際もっと多くの資金を投入し、荒廃をしていく山間地域に若者を張りつけることはできないものでありますでしょうか。若い後継者を育成することにより、山間地域の景観は保全され、美しい山間地域には産廃物は投棄をされない、と私は思うのであります。知事、一時的にはむだな投資のように見えますが、長期的に見たときに、荒廃した土地や不法投棄をされた農地の復旧に要する膨大な費用を考慮した場合には有効的な施策だと考えますが、麻生知事の御見解を賜りたいと存じます。
以上、壇上にての質問を終わります。ありがとうございました。
◯副議長(井手 善来君)
麻生知事。
◯知事(麻生 渡君)登壇
宝満川、原川の災害復旧についてでございます。この両河川の被災箇所のうち、特に危険な箇所につきましては既に応急工事を終えております。今後、被災箇所、これは応急対策を行った箇所も含めまして、九月末から災害査定が行われております、この算定終了後、速やかに災害防止のための護岸等の復旧工事を進めてまいります。
農業被害の問題についてでございます。被災をされました農家に対する支援といたしましては、経営再建を図りますための農業災害対策資金の融資、また既にお金を借りておられる方につきましては制度融資資金の返済猶予を行っております。一方、農業共済につきましても、共済団体に対しまして、速やかに損害の評価を行いまして早期に支払いを行うように指導をしております。
高尾川の治水対策についてでございます。この河川の改修につきましては、沿線が市街化をしております。抜本的な治水対策を実施をいたしますためには、まちづくりと一体となった河川の拡幅などの整備が必要であるわけでございます。しかし、このようなことにつきましては関係者間で相当の合意形成のための時間を要します。当面は局所的に流下能力の低い箇所につきまして拡幅工事を行いまして、被害の解消に努めてまいります。
産業廃棄物の不法投棄についてでございます。平成十四年度についてでございますが、県が把握しております産業廃棄物の不法投棄は十三件でございます。その量は千六百トンでございます。中身は瓦れきといった建設系の廃棄物が九〇%以上を占めております。このようなことにつきまして、だれがやったかという実行行為者を突きとめまして撤去するように指導をいたしております。十三件のうち十一件が原状回復をされております。
不法投棄防止対策でございますけれども、スカイパトロールということでヘリコプターを使った監視を行っております。また、夜間、休日の監視パトロールも実施をいたしております。別途、ボランティアの皆さんの通報制度、これも拡充をするということを行っておりまして、これを通じまして監視態勢の強化を図っております。
資源循環促進税制いわゆる産廃税についてでございます。これは九月にずっと専門的に研究をいただいておりました専門家会合から最終的な取りまとめを受けております。この報告におきましては、使途につきましてもいろいろ議論がされておるわけでございます。一つは、不法投棄の防止あるいは撤去のための対策、リサイクルを進めますための研究開発、あるいは市町村のいろんな循環型社会づくりのための活動支援、また特に御質問がございました産廃場を抱えておる市町村に対する支援、これは今後十分検討をしなければいけないというふうに考えておるわけでございます。いずれにしても、この税制は排出抑制を目的としたものでございます。ただ、それは近隣県にも影響が及んでまいりますから、できるだけ今、九州各県ともいろんな話し合いをし、実行する場合の調整をしようということを進めているわけでございます。
中山間地域におきます農地の保全対策についてでございます。これは、おっしゃられましたような、いろんな多面的な効果があるわけでございますが、十二年度から直接支払制度を導入いたしました。現在約六千九百ヘクタールの農地で協定が結ばれまして、この制度を利用しまして水路や農地の保存が図られております。また、これまで地域特産として進めてまいりましたお茶とか果実に加えまして、新たに花や野菜を組み合わせました収益性の高い農業経営を支援をする、快適な生活環境づくりを進めたところでございます。このようなことを通じまして、今後とも中山間地域の振興に努めてまいりたいと考えております。
なお、残りました災害対策に関します質問につきましては、農政部長に答弁を行わせます。
◯副議長(井手 善来君)
山田農政部長。
◯農政部長(山田 修嗣君)
登壇 筑紫野市におきます農地、農業用施設の早急な復旧についてでございます。筑紫野市において県施行の工事はありませんが、百九十五カ所もの被害が出ておりますので、市と十分連携をとり、早急な復旧に向け適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
◯副議長(井手 善来君)
原竹岩海君。
◯九番(原竹 岩海君)登壇
御回答どうもありがとうございました。質問漏れかどうかちょっとわかりませんけれども、質問の確認をさせていただきたいと思いますが、私は確か冒頭の質問の中で、豪雨災害に関しましては遊水地並びに貯水池の設置等に関して福岡の市長を初め近隣の首長を中心にその設置に向けまして協議がなされた、本件に関して県知事はどのようなお考えでありますかということの質問をさせていただいていたと思いますが、これが回答にどうもなかったようでありまして、よろしかったらもう一度御登壇をお願い申し上げたいと思っております。
そして、これは質問ではございませんけれども、これで私の登壇は終わりたいと思いますので、意見でございますが、産廃税の使途につきましては、県知事より問題の自治体には前向きに考えたいという御回答らしき御返事をいただいたところであります。私の考えは、こういったことは当然の措置だと思いますので、再度、市民、県民の声として要望をいたしておきたいと存じます。
最後、山間地の問題でございますけれども、その行政の縦割りを少し意見を述べさせていただきたいと思いますが、昨日もどちらかの議員さんの方からございましたが、今いろんな問題は複雑多岐でございまして、何か何かで処理ができないようになっております。環境もすべて、ひょっとしたら地域、市町村、大きくしっかり越えております。こういったところで、一つの提案で、山間地の問題に関しましては、しっかり中山間地を若者、市民が中心となって守っていく、その環境をしっかり守るということに、すばらしい景観が生まれるわけでございまして、そこに人々が、一つは棚田でございますけれども、景観として、私は観光に来ると思う。そうなりますと、農業の担当、そして環境部の担当になっていくと思います。景観からいきましたら観光の方も、これは当然動かれてもいいのではないか。一つの環境をしっかり守るためには、農業環境そして観光が動いていく、三位一体となったところでしっかり保全をやっていく、こういったことが、私は山間の自然を愛することが、将来は郷土を愛することになって、美しい日本を愛していく、愛国の精神の原点になっていくと思います。その環境の悪いところは地元を愛さない、そして家庭を愛さない、そして我が国も愛情がなくなっていく、こういったことに私はなるのではなかろうか、農業と環境これは切っても切り離せない大事な問題でございますので、意見として再度中山間地域の対策に対しまして、しっかり御奮闘をお願いを申し上げたいと思っております。
以上で壇上にての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。