平成16年 地方分権推進対策調査特別委員会 (2004.01.23)
市町村の合併・道州制
◯原竹岩海委員
二点ほど伺いたいと思います。一つは市町村の合併の件ですけども、政府等は全国レベル三千二百五十の自治体を千程度にするのが望ましいと、そういった方向性を出しているんですが、当然、これは一方の福岡県においても一つの将来のあるべき形をしっかりつくらなければならない。そうなれば、市町村合併は幾つぐらいがいいのではないかというふうな目安を県の方は当然、お持ちであるだろうと思うんです。政府の考えは政府の考えなんですけども、福岡県は当事者の福岡県民の将来の生活の形でございますから、福岡県は幾つ程度が、どういった規模が望ましいということを考えておられるのかということ。そしてまた、福岡県が出しておられる資料では、十八の地域で協議になっておりますが、これはみずから意見をされた自発的な合併の方向でございますが、それとは別に、福岡県は、こういった地域とこういった地域が望ましいといったものを当然、考えられておりますが、その辺のお考えを伺いたいということが一つと、最近、太宰府の市民と筑紫野の市民の方で、将来合併に向けた協議会が六回目、会議をなされておりました。オブザーバーということで、何の予備の知識もないまま出席をさせていただきましたけれども、五十名、五十名、百名で、商工会を中心に、すべてのいわゆる地域の重立った方々が出席をされておりまして、相当突っ込んだ御意見がなされておりまして、伺ったところでは、筑紫野市と太宰府市の境界に大きなもの、国立博物館が設置をなされる、よって、それを私たち太宰府の市民だけで受け入れながらやっていくということは、やはり限界を感じると、そうなれば当然、こういったものを中心に、お隣の筑紫野市の方と合併をしながら、大きな道路事業とか、こういったことも境界をなくしながら、生活圏の中にしっかり受けとめていくということが将来の私たちの子供のためには望ましい形ではなかろうかという、すばらしい意見を拝聴してきたばかりでございますが、この件に関して福岡県知事は、国立博物館を情報の発信の基地にしたいということを発言をされておりますが、当然、その周辺の自治体の形も変わってくるのではなかろうか。その辺の方向性なりございましたら、県の方のお考えを伺いたいと思います。
◯三田村統之委員長
中原地方課長。
◯中原地方課長
委員の方から三点ほど御質問等ございました。一点目、二点目は重複するかもしれませんけど、県の方が平成十二年十二月に、合併推進要綱の中でパターンというのをお示しいたしております。これがもちろん当該各首長さん等の御意見もお聞きしながら、参考という形ですけど、県としては、やはり歴史、文化等を考えた場合、望ましい基礎的自治体としての市であるべきだということでパターンをお示ししました。それに沿った形で、それぞれの市町村で枠組みの論議がなされたところでございます。そういった形で現在、そのパターンとは違った形での枠組みというのも確かにございます。それで、現在のところ、そういった形で十八の地域の枠組みができてきているところでございます。
それから、太宰府市筑紫野市の問題等でございますけど、県といたしましても、十二年の十二月、参考パターンをお示ししました後に、旧筑紫郡四市一町、やはり政令市周辺の都市として、ある程度、四十三万人規模の中核市を目指しというパターンを示した以上、各四市一町の方に御説明に上がりまして、そういった合併協議をなされたらどうかという助言をさせていただいております。そして、その後、やはりどうしても旧筑紫郡の特に四市の場合は、財政的にも、行政的にも、現時点ではかなり基盤的には強化されておるということで、それぞれの市、町におかれては、まだまだ時期尚早という御意見等もございました。そういった中で、その後、太宰府市と筑紫野市さんのそれぞれの商工会等の方で合併の研究会というのが立ち上がったというのは確かに承っております。それで、今後、その研究会がシンポジウムあるいは住民アンケート等をとって、合併論議をしていかれるということはお聞きしておりますし、その旨を各太宰府市さん、それから筑紫野市さんの行政の執行部の方には、そういった住民の機運が盛り上がってきているというので、そういったお話をさせていただいております。
◯原竹岩海委員
ありがとうございました。
最後ですけど、太宰府市を中心として旧筑紫郡ですけども、それぞれの四市の自治体の経常収支比率を中心として、近隣に比べて、いいのではないかといった御意見がございましたけども、少なくとも筑紫野市の場合は、経常収支比率は八六・二%で、硬直化の現象がしっかり出てきておるのは周知のところですけども、一方の太宰府はより厳しく、税収が今後とも見込めないということを背景とし、駐車場を中心に税収を求めたいと、そういう動きまであっておるわけですから、私は、県の地方課の認識と現場をあずかっておる自治体の長との考えが少しずれておるのではないかという心配がございますけども、そういったところも含めまして、合併は、私は、当然、市民の声を受けとめるというのが自治体のあり方でございますので、一方の考えは、強力なリーダーのもとに、しっかりまちづくりをやっていくという考えがございますが、最近では、住民とか市民の声をしっかり受けとめながら、ボトムアップ方式で運営をやるということですから、こういった商工会を中心とする運動が大きな機運を迎えておるということでございますので、強力な御指導をお願い申し上げたいということが一点と、もう一つは、政府なり県の、旧筑紫郡の合併を真剣に考えたらどうかということで、これは昨年、まどかぴあというところで指導がなされたと思いますが、私はその前から、青年会議所、JCを中心に、旧筑紫郡は一つとであると。イコール、その向こうには五万坪の国立博物館を中心としたすばらしいまちづくりの構想がございましたが、そのときにはこういった機運は盛り上がりませんでしたけれども、ずっと迫りまして、昨年、総務省でしたか、指導には来られましたけども、余りにも通り一遍の説明でしかなかったのではなかろうかという意見が地元の議員さんから漏れてきたところでございまして、もうちょっとこういった指導を早く自分たちは受けておけば、議会なり委員会の中で、特別委員会を設置し、十分四年間議論ができたはずだといった声が漏れてきてございますので、こういったすばらしい指導については、もう少し早い形でもって行われるべきであったのではなかろうかと思っております。
以上、意見までです。別に感想は求めません。
◯中原地方課長
申しおくれましたけど、今回のこの合併というのは、あくまでも自主的な合併でございます。それで、確かに県の方でパターンをお示ししましたけど、どういった枠組み、どういった形で合併していくかというのは、あくまでもこれはそれぞれの自治体の住民の方が最終的には決めていただくということでございます。その住民の合併に対する意識の啓発につきましては、従来から当課としても、最大限それぞれの市町村さんに対して御助言、また御支援してまいっているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
~略~
◯原竹岩海委員
道州制で関連なんですけれども、策をもって臨むというのは、行政の場合は政策のことだろうと思いますけれども、九州全域で一堂に会するといったほどの状況ではなかろうかと思うんです。その前に、東北で、言われたとおり三県ということで、わかりやすい例でございまして、福岡県の場合には、福岡県に隣接をする、例えばですけれども、佐賀県は人口が八十何万だろうと思いますけれども、福岡は、福岡政令市だけで百三十万ですね。この辺で考えた場合、佐賀としっかり協議をしながら、水の問題の解消もそうですけれども、含みながら、佐賀県と福岡県がそういった実務の会議を始めた場合は、当然、その先の長崎は、私は、黙っておってもついてくると思うんです。こういったことで、わかりやすい、具体的な協議で策をもって臨む。そして、九州知事会は別格でしっかり将来の展望として議論をすればいいわけでして、わかりやすい実施計画といいますか、総合計画、基本構想等ありますけれども、当面、三年から五年程度でわかりやすいのは、やはりあなたと私なんです。クラス全体を将来は合併しようとかいうことではなくて、お互いがお見合いをするということは、相手をしっかり見合うということですから、最初は二県で協議をするということが私は策をもって臨む具体的なことだろうと思うんです。そうなると、みんながわかりやすい、将来の形が見える話が議員間もできると思うんです。その辺のところをもうちょっと考えて臨まれた方がいいのではないかと思いますが、いかがでございますか。
◯三田村統之委員長
室田総務部次長。
◯室田総務部次長
道州制の検討につきまして、今、いろいろ御指摘をいただいているところでございますけれども、今、行政経営企画課長が申し上げましたように、道州制につきましては、九州知事会の中に研究会を設けて、部長クラスでやっていこうということにしてございます。これに当たりましては、これは事務局が福岡県でございますので、委員会に出す原案等を検討するために、庁内にプロジェクトチームを既に立ち上げて、検討を始めてございます。ただ、その方向性につきましては、この道州制というのは、いろいろ広域的な行政に対応できるというメリットももちろんございますけれども、一方で、九州で道州となった場合、財政的に立ち行くのかどうかとか、あるいは人口がどういうふうに移動していくのか、果たして九州地域がこれで浮上していけるのかどうかとか、いろいろ検討する課題も多うございまして、やはりある程度、具体的なものを考えながらも、そのメリット、デメリットを見きわめながら方向性を出していかなければならないということがありますし、もう一つは、九州各県でもそれぞれいろいろなスタンスがございまして、必ずしも全県がもろ手を挙げて道州制を進めていこうという意向ではございませんので、その辺をうまくやはり九州知事会として、取りまとめをする立場として、慎重に進めていかなければならないところでございまして、その辺をにらみながら、それともう一方では、国の方で地方制度調査会で道州制の検討がなされると、おおむね二年間をかけてやるということになっているようでございますけれども、そういったものをにらみながら、やはり広田委員御指摘のように、明確な方向性をばっと今、打ち出して、それに向かっていくというところまでは、もう少し見きわめが必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
原竹委員のおっしゃったことは、もちろん、そういう広域的な課題を一つ一つ積み上げていくというのは非常に大事でございますので、そういう個別課題につきましては、道州制議論とは別にやはり検討していかなければならないというふうに考えてございます。