平成15年度 決算特別委員会 (2004.10.26)

白石地区臨海工業用地造成事業

◯原竹岩海委員 
委員長にお願い申し上げたいと思いますが、第一九三号議案書の工業用地造成事業に関します資料を、執行部の方に要求をお願い申し上げたいと思っております。

 お諮りをよろしくお願い申し上げます。

◯江口吉男委員長 
資料……、どういう内容。もう一回具体的に。

◯江口吉男委員長 
できていますか。中原企業局管理課長。

◯中原企業局管理課長 
直ちに提出できます。

◯江口吉男委員長 
お諮りいたします。ただいま原竹委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯江口吉男委員長 
御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。執行部に申し上げます。提出予定の資料をまず正副委員長に確認させてください。 それでは、ただいまより委員要求の資料を事務局から配付させます。    〔資料配付〕

◯江口吉男委員長 
それでは、資料の配付がありましたので質疑を行ってください。

◯原竹岩海委員 
簡潔に質問させていただきたいと思いますので、執行部の方におかれましても、簡潔に御回答をお願い申し上げたいと思っております。

 私は、工業用地の造成事業でございます苅田町にあります白石地区臨海工業用地造成事業の関係につきまして、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申します。
 この当該工業用地は、当初四十八ヘクタールを整備し、このうち約三十一ヘクタールを工業用地にする計画でございまして、昭和四十八年から用地買収が開始をなされましたが、造成事業計画のおおむね八割以上の用地買収を終えた段階で、残念ながら行き詰まりまして、当時の県の監査委員の方から具体的に指導がなされたところであります。そして、当時の公営企業管理者は、この用地買収は大変難しい問題で、造成そのものも中断をいたしておるとお話しをされるなど、本件は重要案件とされまして、当時の議会や委員会等で幾度となく議論をされてきたところでございまして、それから三十一年という本当に長い時間だけが経過をいたしておるわけであります。これらを踏まえまして、幾つか質問をいたしたいと存じます。
 三十年余も経過をいたしておるこの土地を今後どうなされるのかということを、基本的にお伺いを申し上げたいと思っています。
 二問目でございますけれども、この土地は当初どういう目的で計画がなされたのか。その後今日までの経過と、その後の課題について、今後どのように認識をされておられるのか、二点について質問させていただきたいと思います。

◯江口吉男委員長 
中原企業局管理課長。

◯中原企業局管理課長 
まず最初に、三十年経過しているこの土地をどうするかという問題でございますが、当該団地がございます京築地区につきましては、日産自動車九州工場、それから近距離にトヨタの自動車工場、それからまた、十六年度には
大分県中津市でダイハツの車体が操業開始するなど、自動車産業及び関連産業の集積が進んでおるところでございます。本県が推進しております北部九州自動車百万台生産体制、これの受け皿団地の一つとしてこの土地を早急に整備してまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二問目でございますけれども、当初の目的と、それから経緯でございますけれども、この事業は小波瀬地区に日産自動車が立地したのを契機に、小波瀬地区と一体となる工業用地として開発整備をスタートしたものでございます。先ほど先生おっしゃいましたように昭和四十八年度、これに用地買収を着手いたしまして、昭和五十一年及び五十二年には構成施設用地として、日産自動車などに十・七ヘクタールを売却したところでございます。しかしながら、昭和六十二年度までに一部未買収地が虫食い状態で残りまして、用地交渉の難航、経済情勢の変化等により、一時事業の中断を余儀なくされたわけでございます。その後、新北九州空港の開港予定とか、東九州自動車道の整備によりまして、外部環境が変化をいたしまして、また工業団地としての適地性が向上したことや、地元地権者、これらが買収に応じる機運が出てまいりましたところから、平成十二年度には虫食い状態を解消することができました。その結果、平成十四年度に環境影響評価の現況調査、それから十五年度には実施設計を行うなど、事業実施に向けた関係機関との調整を進めてきたところでございます。今年度内には造成事業に着工する予定というふうに考えております。
 また、課題といたしましては、造成工事を早急に完成いたしまして、時期を失しないように自動車関連産業等の企業を早急に誘致して、地元の人々に雇用の場の拡大を図るとともに、本県経済の活性化に資するということを考えております。

◯原竹岩海委員 
説明はスムーズになされておりますが、私が一人の県民として期待をいたしておりましたことがございまして、報道もなされておりますけれども、こういったことがなされておりますね。これは何日か前の報道でございまして、
苅田町にトヨタが、日本で初めてエンジンの工場を移動させると。すごいことであります。それで大々的に報道なされたことでありますけれども、伺ったところでは、この当該工業用地はこれに間に合わないのではないかと。準備に、受け入れ体制に、残念ながら三十年以上もかかりながら、受け入れ体制に間に合わない。一方、苅田町が行っておりますそういった用地は有力な候補地であるということでございまして、有力なこういった企業の誘致に対して、受け入れ体制は何をしているかということを、県民から御指摘されても仕方がないなと、こういうふうに考えるわけでございます。
 しかしながら、動いております本事業は急がないといけないと思いますので、もう一歩深く質問させていただきたいと思いますが、そこの用地のハードルでございますけれども、幾つか伺ったところでは、水利権というお話が出てまいっております。水利権。伺ったところでは、法律ができる前に権利を有しておる、水利権というのは大変存在感が大きいということでございますが、一問目でございますけれども、水利権者は当該地では何人で、造成工事に関しまして了解は必要なのか、必要でないのか。必要となれば、関係者全員が承諾されておられるのか。この辺を具体的に御回答をお願い申し上げたいと思っております。
 二点目です。元地権者の一部の方が買収に応じた後も、その用地に入り込みまして野菜などを栽培され、収益を上げられたと。この不法占拠とも言うべき行動ですね。こういった人々に対しまして、県は、撤去等に関して裁判を起こされたようでございますが、その後の経過と結果も、県民にしっかり御報告をあわせてお願い申し上げたいと思います。


◯中原企業局管理課長 
造成工事につきましては、過去の用地取得の段階から工業団地を造成するという事業の趣旨を説明してきておりまして、その結果、地元の了解はいただいているものというふうに認識しております。なお現在、買収中、まあ、買収が残っております共有水路でございますけれども、これは昨年、共有者五十八名からの総意により買収の申し出があっておりまして、企業局といたしましても、造成後の工業団地内の排水路として有効活用を図るということから、共有水路の買収に応じることといたしております。その結果、現在でございますが、五十八名の共有者中に五十一名を、既にきょう現在で買収を終えておりまして、持ち分の登記を完了しております。さらに四名につきましても、間もなく持ち分の登記を完了する予定でございます。残る三名につきましては、現在まだ持ち分の取得について協議を行っているところでございます。今後引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

 なお、共有水路に関します水利権者、これは企業局が工業団地用地をすべて買収したということによりまして、水利権は消滅しているのではないかなというふうに考えているところでございます。
 また、先ほどの二つ目でございますけれども、裁判の問題でございます。元地権者の不法占拠問題につきましては、裁判ということになりましたけれども、ことしの六月に裁判上の和解ということによりまして円満に解決しているところでございます。
 以上でございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。もう一度、二点の確認でございますが、一点目は、水利権は発生をしないという確認でいいのかということですね。この辺だけちょっと一点お願い申し上げたい。

 そして二点目でございますけれども、法的にはもうしっかり整理がなされたということでいいのでしょうか。

◯中原企業局管理課長 
水利権の解釈につきましては、非常に難しい問題がございますが、私どもの理解としては水利権はもうないというふうに解釈しております。

 それから、法的な問題、用地買収に絡みます不法占拠の問題につきましては、もうすっかり円満に解決しております。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。これはまだ関連性がありますので、きょうは決算ですから、この辺の確認で一応とどめておきたいと思いますが、最後でございますけれども、長い年月と膨大な資金が投入されておるわけでございますが、今後企業誘致先は具体的におありなのかどうか。

 私は、先ほどの新聞報道等でも、これがその後の報道でございますけれども、今度のトヨタの福岡の新工場は国内でトヨタが第二の生産の拠点にしたいんだと。目的は一点であります。アジア戦略です。中国の戦略として、立地条件が福岡は最高であると。歴史的にこれは証明をされておりますので、これは大事なことでございまして、県の能力とパワーで受け入れ体制を、こういった会社がよそに行かないようにしっかりやっていただきたいと思いますが、それらを踏まえまして企業の誘致先は具体的におありなのかどうか。確認をさせていただきたいと思います。

◯中原企業局管理課長 
残念ながらまだ、現在のところは具体的な誘致企業名が決まっているというわけではございません。しかしながら、そういった百万台体制の受け皿として、幸い新聞報道によりますと、トヨタ自動車のエンジン工場も近くに立地するようでございますので、関連企業を含めまして、早急に団地を整備した上で、そういった自動車産業関連中心に誘致を図っていきたいというふうに思っております。

 よろしくお願いします。

◯原竹岩海委員 
最後にこれは要望でございますけれども、三十一年前のことでございますので、当時の県知事さんがだれだったのかも、私、知りませんけれども、しかしながら、これはだれかれの問題ではなくて、歴史が呼んでおるということでございますので、今の県知事の判断力と人脈とか、今の行政の皆さんの能力と行動力、この辺で具現化をしていただきますよう強く要望を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。