平成15年度 決算特別委員会 (2004.10.29)

道路行政

◯原竹岩海委員 
緑友会・新風福岡県議団の原竹岩海でございます。よろしくお願い申し上げます。

 私は、道路行政について何点か質問させていただきたいと思っております。
 その前に、土木部の皆さんにおかれましては、土木行政を通しまして、福岡県民の生活向上のために御尽力をいただいておりますことに本当に感謝申し上げます。感謝を申し上げながら質問に入らせていただきたいと思っております。
 我が国の公共事業は、大変厳しい経済財政状況の中、事業効果の早期発現やより一層のコスト削減など、これまで以上に効果的、そしてまた、かつ効率的な実施が要請をされるところであります。このような観点で福岡県内の道路事業を見てみますと、用地買収があと一件か二件残っておるがために工事ができないという状況が、少なからずとも何件かあるかに伺っております。このような状況を長期間放置をいたしておきますことは、私が先ほど申し上げました事業効果の早期発現という時代の要請に全く対応できず、公共事業への福岡県民の期待を大きく裏切るという結果になるのではないかと、県民の一人として大変心配するところであります。
 このような中、本年七月でございますが、行橋土木管内におきまして、十八年ぶりに福岡県事業の行政代執行が実施をされたと報道されたところであります。私はこの措置に対して、県の道路行政の積極的な姿勢を率直に評価をする一人であります。今後とも、このような公共事業に投下しました税金が決してむだになりませんよう、積極的に収用制度をしっかり活用することで事業の推進を図るべきだと、自分の考えを申し上げまして、行政代執行と収用法に対する考えとその取り組みについて、幾つか質問させていただきたいと思います。
 本年、十八年ぶりに、行橋土木事務所管内におきまして代執行が行われたと伺っておりますが、どのような事業であったのでしょうか。

◯大石正紀副委員長 
永冨用地課長。

◯永冨用地課長 
本年七月に行橋土木事務所が実施しております国道四百九十六号道路改築工事におきまして、山林伐採の代執行を行ったところでございます。

◯原竹岩海委員 
県事業で、毎年何件ぐらい土地収用制度が活用されておるのでありますでしょうか。

◯永冨用地課長 
土地収用手続は、大別いたしますと、事業の公益性を判断いたします事業認定の手続、それから収用委員会の収用裁決の手続、さらには強制的に執行する代執行の三段階の手続がございます。通常でございますと、事業認定の手続あるいは収用委員会の裁決が出されますと、おおむねの案件は解決いたすわけでございますが、収用委員会の裁決にも従わない場合につきましては代執行ということになります。

 ここ数年の県事業の事業認定件数でございますが、毎年四件から五件程度、それから収用委員会への裁決件数は年二、三件となっております。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。

 それでは、近年、用地の取得が難しくなっておるのでしょうか。具体的にお伺いをいたしたいと思っております。そしてまた、福岡県内の道路事業で用地買収が数件残っているためどうしても工事ができない、こういった箇所がございましたら、どれぐらいの箇所でありますでしょうか。二つをお伺いします。

◯永冨用地課長 
以前に比べますと住民自体の権利意識が強くなっておりますし、また借地借家、相続あるいは抵当権の設定等、権利関係も複雑になっておるところでございます。また、特に都市部におきましては、マンションでありますとか営業補償が伴います店舗とか事業所など大型物件が増加しておりまして、従前に比べまして若干時間を要しているのが現状でございます。

 なお、県内の道路事業で、用買が数件残っているということで工事ができないという箇所につきましては、道路改良工事などの比較的事業規模の大きいもので事業着手後十年を経過しているものが二十一路線、それから交通安全対策事業など比較的事業規模が小さいものが六路線となっております。

◯原竹岩海委員 
十年を経過いたしている大きなものが二十一路線という報告でございました。この数が大きいのか少ないのか私はわかりませんが、それらを踏まえまして、その次に質問させていただきたいと思いますが、数件の用地買収ができないために事業がおくれるような場合は、どのような形で用地の取得というものを進められておるのでありますでしょうか。

◯永冨用地課長 
用地交渉が難航している事案の解決を図るために、用地部門だけではなく、本庁、事務所一体となった、組織的に補償方針の対策を講じる会議の設置や、あるいは地元市町村との連携の強化、さらには土地収用法の活用など、用地取得体制の強化を図りながら、事業用地の円滑な取得に努めているところでございます。

◯原竹岩海委員 もうちょっと率直にお伺いをいたしたいと思いますが、本件に関しましてはこれを最後にさせていただきたいと思いますが、具体的にお願い申し上げたいと思います。一つの決意というものをちょっと伺いたいと思いますが、事業の進捗を図ります観点から、県はもっと積極的に行政代執行を適用するべきだと私は思うのでございますが、福岡県としましてはどのように考えられておるのか、もう少し具体的にお願い申し上げたいと思います。

◯永冨用地課長 
公共事業につきましては、現下の大変厳しい財政状況の中、事業効果の早期発現と、これまで以上に重点的、効率的な進め方が求められているというふうに受けとめております。土地収用は最終的な公権力の行使でございますので、通常はできるだけ任意買収による用地取得の努力を行っておるところでございます。しかしながら、一定の期間内で合意が得られない場合につきましては、事業の完成を見込んだ適切な時期に収用手続に入ることは当然必要であると考えているところでございまして、今年度から実施しております用地事務の見直しの中でも、事業推進の観点から、土地収用制度の的確な活用について、各土木事務所への周知を徹底し取り組んでいるところでございます。

◯原竹岩海委員 
確認させていただきたいと思いますが、最後の方に、事業推進の観点から、土地収用制度の的確な活用については、各土木事務所への周知を徹底をいたしておるところということでございますが、いつごろまでに周知をなされる予定でありますでしょうか。

◯永冨用地課長 
本年四月に、用地事務の見直しを何項目か重点的にやるということで、その中の一つの柱として、土地収用の方を的確に活用していくという方針を、既に四月の段階で出して実施しているところでございます。

◯原竹岩海委員 
担当の決意をいただいたところでございまして、実施に向けてしっかり頑張っていただきたいと思います。これは、広く県民の利益を見据えて道路行政の推進をしていただきたいと、強く要望いたさせていただきたいと思っております。

 それでは続きまして、有料道路の無料化実現等について質問させていただきたいと存じます。
 道路は交通機能だけではなくて、都市の骨格の構成、防災空間、ライフラインの確保など、多面的な機能を有しております。国づくり、地域づくり、または物流を基盤とします経済活動におきましても、最も基本的な社会の基盤であります。我が県におきましても、九州縦貫道を初めとします高速道路や一般道、国道、県道及び市町村道によりまして、広域交通ネットワークが形成され、企業の経済活動から県民の日常生活まで、日々生きる動脈として動いておるわけであります。その中で、特に有料道路におきましては、近年、道路公団の民営化を初めとする多くの議論がなされまして、高速道路を初めとする有料道路制度は大きな転換期を迎えておるのではないでしょうか。こういう状況の中で、いかに道路行政を進めてまいるかは、今後の福岡県政を進めます上でも最も重要な課題であるのではないかと私は考えるわけであります。
 そこで私は、福岡県内におきまして、それぞれの地域の事情で建設をされました、その地域に密着した有料道路であります地方有料道路について、二点について具体的に質問をいたしたいと存じます。
 そこでまず、執行部に資料の提出をお願い申し上げたいと思います。県内の有料道路のうち、福岡県道路公社の管理します有料道路の中で、鳥栖筑紫野道路と冷水道路の位置関係がわかります具体的な資料提出をお願い申し上げたいと思います。

◯大石正紀副委員長 
執行部にお尋ねしますが、今、原竹委員から資料要求がありましたが、すぐ出せますか。秋山高速道路対策室長。

◯秋山高速道路対策室長 
直ちに提出できます。

◯大石正紀副委員長 
皆さんにお諮りいたします。委員会資料として取り上げてよろしゅうございましょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯大石正紀副委員長 
そのようにいたします。

 委員の皆さん方に早急に配ってください。
    〔資料配付〕

◯原竹岩海委員 
資料提出ありがとうございました。

 まず、鳥栖筑紫野道路概要図というのがございますが、それを踏まえまして、概要をちょっと御説明をお願い申し上げたいと思っております。

◯秋山高速道路対策室長 
鳥栖筑紫野道路の概要でございます。赤い太線の部分が当該道路でございまして、佐賀県の
鳥栖市、それから筑紫野市を結ぶ、総延長十三・五キロの有料道路でございます。目的といたしましては、福岡都市圏、それから佐賀あるいは久留米の間を結ぶ、交通の渋滞あるいはこの辺の地域開発等を目的として建設されたものでございます。
 以上でございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。これは地元の皆さん方、自分たちも小さいころからそうですけども、通称県道五号線と申しておりましたですね。自分たちはいつも、「県道五号線の○○に集合しようや」、「おうよ」といった感じで、通称で言っておった。みんなが日々利用されている道路でございまして。

 参考までに、ちょっとわかりましたらと思いますが、本線の有料道路の、平成十五年度で結構でございますけど、ちょっと交通量の確認をさせていただきたいと思いますが、一日当たりの通行量の台数と、よかったら、十二倍ですから、年間の通行料。御報告がいただけるとなれば、供用開始から今日までの、大ざっぱで結構でございますが、総料金の収入額についてお願い申し上げたいと思います。

◯秋山高速道路対策室長 
まず交通量でございます。一日当たり、これは平成十五年度の交通量でございます。二万二千三百台ほどでございます。年間に直しますと八百十七万台ということになります。それから、料金の総収入ということでございますけど、この当該道路は昭和四十七年から供用しております。これまで大体百三十八億円余の総収入でございます。

 以上でございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。この総収入額が多いか少ないのかということは私はわかりませんが、あくまでも県民の立場からお話をさせてください。

 この道路は、ごらんのとおり、国道三号線とともに地域の生活道路となっております。一般の道路と同じように、毎日幾度となく、多くの住民が生活に欠かせない道路となっております。しかしながら、この道路は有料道路となっている。生活道路としながら、一方では長年、通行料を払わなくてはいけない。これは県民としてどうしても納得がいかないことであります。参考までに申し上げますけれど、そこの料金所の境界線上は、最近はモータリゼーションの発達によりまして、通勤客と、保育所等、一日に何回も奥さん方が行ったり来たりされております。子供のぐあいが悪くなったからということで、保育所にまた戻ったり帰ったり、そのたびに払うわけですね。
 もう生活道路になっております。所期の目的は達成をされたのではなかろうかなと思います。どうにかこれは、早い段階で生活道路として県がしっかり認定をするべきではないでしょうか。早期の無料化についての方向性なりについてお願いを申し上げたいと思っておりますが、それではこの道路はいつになったら無料になるのか、制度も含めて御説明をお願い申し上げます。

◯秋山高速道路対策室長 
いつになったら無料になるかということでございます。まず、制度の問題として御説明をさせていただきますけども、有料道路、御案内のとおり、早く道路を整備するということで、建設費、これも借入金で賄っておりまして、定められた期間内に通行料金で返していくと、こういう制度でございます。当該鳥栖筑紫野道路でございますけども、この料金徴収期間が平成十九年五月までとなっております。この料金の期間が終了すれば、制度上、道路管理者に引き継ぎまして、無料開放するということになります。

◯原竹岩海委員 
無料のうわさというのは数年前から何回となく、実際出てきておりますが、何年たってもやはりならないという現実がありますので、もう一度確認させていただきます。それでは、平成十九年五月には無料の一般道路となるのでありますね。再度確認させていただきます。県民に答えてください。

◯秋山高速道路対策室長 
料金徴収期間が十九年五月まででございます。それを過ぎれば無料開放ということになるものでございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。明快なる回答をいただきまして、本当に感謝申し上げたいと思っております。しかしながら一方では、無料化に実際なりましたら、周辺は、その料金所の関係で非常に開発が困難でございましたが、ほかの開発の問題が出てきますから、この辺の方も引き続き、開発に関しましては、よりよい、県民のために利用できる開発の方で、地元の自治体とも協議をお願い申し上げたいと思っております。

 それでは続きまして、冷水道路について質問に入りたいと思っております。資料をごらんのとおり、冷水道路は鳥栖と北九州市を結びます国道二百号線が、産業道路として特に大型車両が多く通っておりまして、交通の難所となっておりましたことから、交通混雑や自動車公害を少なくとも解消するバイパスとして建設をされたものと私は聞いております。しかしながら、現在その国道二百号線の人家が並ぶ地域では、いまだに狭い道路を多くの大型車両が通り、人を含む事故が起きておりまして、残念であります。この道路の所期の目的が達成されていないのではないかと私は思っております。この状況をどのように考えておられるのか、所感をお伺いいたしたいと思っております。

◯秋山高速道路対策室長 
冷水道路でございます。委員の御指摘がございましたように、一般国道二百号のバイパス的機能を持った道路として建設されたものでございます。ただ、現道からの交通の転換が必ずしも十分でないと。そういうことに伴いまして、人家連担地区などにおきまして交通安全の問題が提起されているという状況にございます。

◯原竹岩海委員 
この道路は、私も調べれば調べるほど発言が難しくなるなというぐらい、多くの先生方も知っておられる、非常に問題の解決に向けての難しい道路だなというふうに再確認をさせていただきました。ここは地元の筑紫野市では、市政、県政、国政、すべて選挙のときにはこの冷水問題というのが大きな争点になっております。私も幾度となく、候補者全員が踏み絵をさせられます。そういった激しい論争の場所にもなっておりまして、これは人命がしっかりかかっておりますので、引き続き一生懸命頑張っていただきたいと思っておりますが、県の取り組みは、昨日から激しい議論をする中でも一定の理解はしたところでございますが、しかしながら、まだまだこの道路には問題が残されていると私は思っております。こういった問題が解決されますことにより、地域の皆さんの望む道路としての所期の目的を達成することができると私は信じております。

 今後のさらなる積極的な取り組みにより、地域と一体となった道路行政が進められることを強く要望をいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。