平成15年度 決算特別委員会 (2004.11.04)

環境問題と産廃税及び森林環境税の導入

◯原竹岩海委員 
お世話になります。緑友会・新風の原竹岩海であります。

 きょうは環境問題と産廃税、及び、仮称でございますけれども、森林環境税の導入についてお尋ねをいたしたく、総務部、環境部、水産林務部にそれぞれ御出席をいただいたところでございまして、本当に感謝を申し上げます。
 さて、今世紀に解決をすべき問題といたしまして環境問題が挙げられますが、県行政におかれましては、安全と安心の観点に立って抜本的なその対策を見出され、迅速に実施をいただくことが重要であると思うわけであります。そこでまず、環境問題解決に向けた県の決意、決算の状況についてお伺いをいたしたいと思っております。きょうは決算でございますので、決算審査の総括の部でございますので、決算を踏まえまして質問に入らせていただきたいと思っています。
 県の平成十五年度一般会計決算書を見ますと、総支出額は一兆五千億円余であります。そのうち環境部が占めます額は約四十七億円余であります。一方、農政部や水産林務部、土木部などの部局におかれましても、環境の保全に向けました事業がそれぞれございます。一概には環境の保全に向けた決算の総額といたしまして見るわけにはいきませんが、環境を所管される部局の決算額といたしましては余りにも寂しいのではないかなと思うわけであります。
 産業廃棄物を中心としました産廃問題は、福岡県政の重要な課題とされております。それにどれだけの経費が使用されておるのか、まず環境政策に要されました決算額のうち、産業廃棄物に要しました過去三年間の決算額はどうなっているのか、使途の内容まで含めましてお伺いをいたしたいと存じます。

◯江口吉男委員長 
尾座本環境政策課長。

◯尾座本環境政策課長 
産業廃棄物対策に要しました経費の過去三年間の決算額についてでございますが、平成十三年度は三億九千七百万円余、平成十四年度は四億四千六百万円余、平成十五年度は四億四千三百万円余となっております。この経費によりまして、産業廃棄物の適正処理を推進する事業及び不適正処理を監督・指導する事業を実施してまいったところでございます。

 平成十五年度の主な事業について申し上げますと、廃棄物の適正処理を指導するため、警察官OBによる十七名の指導専門員を配置する事業、PCB廃棄物処理基金への助成をする事業、廃棄物等を早期に発見するため、休日と夜間の監視パトロールを実施する事業、不法投棄撲滅キャンペーンや産業廃棄物運搬車両の路上検問事業等でございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。

 しっかり頑張っておられると言いたいところでございますが、執行部の回答では、警察OBによります専門員を十七名配置とか、夜間のパトロールをしっかり頑張っておるとか、運搬車両の路上の検問とかいうことでございますが、私は、一兆五千億円余の中で四十七億円、占有率何%だと思いますか。びっくりしました。決算書の資料を拡大コピーさせていただきましたけれども、実にラインが見えません。〇・三一%であります。今世紀のキーワードでございますけれども、環境と福祉と平和だそうです。本県では、環境部だけでございますけれども、〇・三一%、非常に少ないのではないかなと言わざるを得ないわけであります。福岡県単独では対応できないこういった問題は当然、福岡県下にございますそれぞれの市町村と財源や政策面で効果が見える形で、それで多方面にわたりましてしっかり頑張っていただきたいと思います。
 そういったことで、産廃税というのが今般、私はぐっと急浮上をしてきたんではなかろうかなと思っております。どんな言葉よりも数字が物を言う現在でございます。広く県民から負託されました私たち議員は、福岡県民の皆さんに対して、こういった金額に対してどのように説明をすればいいのか、そういった気持ちで本席に立っておりますので、明快なる御答弁をお願い申し上げたいと思っております。
 それでは次に、産廃問題は県だけの問題ではなく、処分場等を抱えます市町村にとりましても大きな問題となっており、そのため関係市町村は多くの経費を負担いたしておるのが現状であります。何回も訴えさせていただいております。これら市町村の経費の負担に対しまして、福岡県から補助金等の財政の支援はどうなっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

◯尾座本環境政策課長 
現在、産業廃棄物の処分場が所在する市町村が負担しました経費に対する県からの補助金等の財政支援は行っておりません。

◯原竹岩海委員 
やっていないという明快な御回答でありました。私は、こういったときに、やっていない、ノーという発言は、県民に、市町村に対して申しわけないと思う一人であります。本件につきましては、幾度と申し上げますが、福岡県単独では、この産廃事業等に関する二十四時間の監視体制については抜本的な問題の解決には絶対なり得ない、どうしても市町村と全面的に協力をするべきであると強く訴えさせていただきたいと思っております。

 地方分権の流れの中で、課税自主権でございますか、こういったことを実現いたしました産業廃棄物税の導入を私は高く評価をするものであります。今から先は地方自治体がみずから環境を守るということが今後ますます重要になってくると私は確信をするものであります。本産廃税におきましては、十月二十九日に総務省も同意をいたしたと報じられたところでありまして、いよいよ来年四月の一斉導入に向けまして、関係者の皆様におかれましては、スタートの準備等で日々御尽力をいただいておることを本当に感謝申し上げたいと思っております。本制度の導入を強く訴えてまいりました議員の一人といたしまして、産廃税の実施に参画できましたことに本当に感激をいたしております。今後は地域の政策ニーズに応じまして、独自の課税制度を積極的に活用し、収入をしっかり確保し、的確に政策を実行いたしていく、そういった時代になると私は考えますが、この産廃税を現在、問題の処分場等を抱えておられます市町村が負担をしておられます環境に関する調査費用等に活用するお考えはおありなのかをお示しいただきたいと思います。

◯江口吉男委員長 
添島課長。

◯添島循環型社会推進課長 
産廃の処分場が所在する市町村において、処分場周辺の環境調査などで経費負担を生じているということについては承知しているところでございます。このような状況を踏まえまして、現在、産廃税の税収を活用して、地域の実情に応じた具体的な支援策について検討を進めているところでございます。

◯原竹岩海委員 
一点だけ、ただいまの答弁で確認させてください。

 地元の市町村の実情をしっかり把握しておられるという表現がございました。一点でございます。それは間違いないかということと、前向きに検討という内容の表現がございましたが、その二点について、今の御答弁は間違いございませんでしょうか。

◯添島循環型社会推進課長 
処分場周辺で環境調査などを行っている市町村については、その実情を当該市町村から既にお聞きしているところでございます。また、支援策については具体的な実情に合わせた形で検討を進めております。

◯原竹岩海委員 
否定はされませんでしたので、そのとおりだという確認をさせていただきました。ありがとうございます。

 それでは、先ほど四十七億円という費用が出てまいりました。環境部でございますが、産廃税でございますけれども、これは担当はどちらの方に聞いたらいいかわかりませんけれども、いよいよ産廃税、伺ったところでは、おおむね六億円と聞いております。その六億円の税収に関しまして、その金額は、単純に考えた場合、四十七億円の中に包括をされるのか、もしくは四十七億円とは別に新たに追加される、そういった財源と考えていいのか、どちらでありますでしょうか。

◯江口吉男委員長 
瀬脇財政課長。

◯瀬脇財政課長 
お答えします。

 産業廃棄物税でございますが、これは御案内のとおりかと存じますが、条例でその使い道があらかじめ定められてございます。いわゆる目的税ということになってございます。条例の方でいろいろ規定がなされてございますけれども、産業廃棄物の適正な処理の推進を図っていく施策に充当していくということになってございまして、そういった特定の目的の財源ということになろうかと考えております。

◯原竹岩海委員 
それではこの質問は、時間がございませんので、本席で継続性をしっかり持たせていただきまして、その次の機会のときにしっかり確認をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思っております。産廃税等につきましては、今後とも注意深く慎重に見守ってまいりたいと思っておりますので、その次の質問に入らせていただきます。

 森林環境税について質問させていただきます。
 私は、執行部の皆さんに対しまして、私が森林環境税と言いましたが、正確にはまだこれ、名称は決まっておりませんので、仮称でございますけれども、森林環境税、九州知事会の方では森林保全に関する税というタイトルがなされております。こういったことで、私は本席では森林環境税という表現をさせていただきたいと思っておりますので、お許しをいただきたいと思っております。
 森林環境税導入に関しましては、早くから議論をいたしておる議員の一人であります。きょうはあえて本税の意義や認識等については、時間がございませんので、もう本席で割愛させてください。内容から入りたいと思います。具体的にお伺いをいたしますので、簡潔に御回答賜りたいと思っております。
 森林環境税の導入につきましては、環境問題の抜本的問題の解決に向けた貴重な財源であるわけでありまして、本件に関して、私は早期に実施をすべき重要課題であると訴えておりまして、このような森林環境保全のための税制度に関する全国での導入状況についてお伺いをいたしたいと存じます。

◯江口吉男委員長 
遠藤税務課長。

◯遠藤税務課長 
森林保全に関します税制度ということでございますが、これにつきましては、具体的には平成十五年度からの実施ということで高知県が導入をしております。その後、平成十六年度から岡山県での導入がございまして、平成十七年度導入予定ということで鳥取県、それから鹿児島県と、現在この四県について導入が図られておるという状況でございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。今言われました鹿児島県の税率を参考までにちょっと申し上げますけれども、税の仕組みでございますけれども、しっかり聞いてください。県民税均等割の超過課税方式で、個人県民税の納税義務者に五百円を上乗せして、法人県民税均等割に法人の資本規模に合わせて五%相当額を上乗せしたものだそうでございますが、わかりますか、これ。私は全然わからない。

 それで、この内容を踏まえまして、以前、職員のだれからか伺いましたところ、その職員の方が、その制度で福岡県を試算した場合でございますがということで、年間で大体十億円程度の収入じゃないですかというお話を伺ったことがあります。この程度の新たな税収が見込まれるならば、すばらしい森林行政がいろんな形で、午前中もすばらしい先生からいろんな提案がございました。そういったところに積極的にどんと行くんではなかろうかなと、そういうふうに考えておりますので、こういったことも一日も早く、福岡県民のために実現をしていただきたいと願うばかりでございます。
 そして、二回目の質問に入りたいと思いますが、福岡県におけます今後の森林環境税等に係ります税制導入実施の方向性について、その進捗状況をお伺いいたしたいと存じます。

◯江口吉男委員長 
水上課長

◯水上林政課長 
水源の涵養や県土の保全、地球温暖化防止など多面的な機能を持ちます森林を保全することは、県民にとって大変重要なことでございます。森林環境保全のための税につきましては、森林を守り育てるという県民全体の理解を得られることと、負担が多く、森林が少ない都市部住民の理解が得られるような使途であるという課題があろうかと思います。また、国では環境税の導入も検討されておりますので、その税収使途に森林保全、整備も組み込まれておりますので、その動向も踏まえる必要もございます。このようなことから、今月中に庁内で研究会を立ち上げ、多方面からの研究を行ってまいることといたしております。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。

 少なくとも今月中までに研究会を立ち上げるということでありまして、具現化に向けてお願い申し上げたいと思っております。
 質問の方向をちょっと変えます。
 きのうの新聞に、読売新聞でございますが、三日、文化の日でございますけれども、朝刊に、タイトルでは「環境税、二千四百円に下方修正」という新聞記事が載っておりました。簡単でございますけれども、「環境省は二日、来年度中の導入を目指している環境税の最終案をまとめた。ガソリンなど化石燃料に対し、含有する炭素一トン当たり二千四百円を課税し、四千九百億円の税収を見込む。一般家庭での年間の負担額は三千円程度となる見通しである。同省は京都議定書の温室効果ガスの削減目標を達成するためとしている」ということでございますが、一方ではこういった環境税を国もしっかり考えておるわけでございます。それとは別に福岡県も、目的税ではなくて、これはあくまでも普通税でございますけれども、しっかり考えられておりますが、その辺の整合性と見通し等について少しコメントをお願い申し上げたいと思っています。昨日の新聞で申しわけございませんけど。

◯尾座本環境政策課長 
環境税についてでございますが、これは国の中央環境審議会総合政策地球環境合同部会施策総合企画小委員会というのがございまして、そこが平成十六年十月二十一日に、炭素一トン当たり三千六百円、この計算でいきますと、ガソリン一リットル当たり二円ということになりますが、という課税を行った場合の効果、影響について取りまとめておるところでございます。しかしながら、導入に当たっては経済界の反発も強くて、私どもとしましては、なお環境省による調整が続けられているという認識でございました。

 そこで、今、委員御指摘のように、昨日の新聞でそういった記事が掲載されましたので、私どもとしましては、環境省に確認をいたしましたところ、現在まだ検討中であり、最終案はできていないという回答でございました。
 なお、税収使途としましては、基本的には二酸化炭素排出量の抑制に結びつく省エネ機器の買いかえ促進、先駆的な対策技術の導入支援等に活用することとされておりますが、二酸化炭素の吸収源である森林対策も一部含まれております。このようなことから、県といたしましては、引き続き国の環境税の動向を注意深く見守っていく必要があると考えておるところでございます。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございました。

 政府は政府でしっかりお考えをいただいたらいいと思うんですよ。地方分権ですから、福岡県は福岡県、九州全体でも結構です。しっかり頑張っていただきたいと思っております。
 この環境税は、来年度実施をされます産廃税とは違いまして、目的税ではなく普通税として広く県民から徴収をされるものであります。この制度は、福岡県民皆様の、森林行政を通して福岡県の水や大気、土壌などの環境を守るという深い御理解と御協力が必要ではないでしょうか。森林の環境などを守り育てていくことが、下流域に住む大都市等、住民の水道水の安全と安心等が将来にわたりまして確保されるわけであります。執行部におかれましては、一日も早い森林環境税の実現を実施されますよう要望をいたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。