平成15年度 決算特別委員会 (2004.11.05)

BSE対策の全頭検査

◯原竹岩海委員
 お世話になります。緑友会・新風の原竹でございますが、きょうはBSE対策の全頭検査関係について、知事の方に少し質問をさせていただきたいと思っております。

 麻生知事におかれましては、日ごろから福岡県民生活向上に向けまして御尽力をいただいておりますことに本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。
 さて、先般の本審査委員会におきまして、私は食の安全性という観点から、BSE対策など農業問題につきまして幾つかの質問をさせていただいたところ、執行部より詳細にわたります説明を受けまして、慎重に審査をさせていただきまして、おおむね一定の理解をいたしたところでございます。なお、福岡県の全頭検査に関しますBSE対策では、本年十月十四日付の新聞で、麻生知事は、国が生後二十カ月以下の牛をBSE検査対象から外した場合でも独自に全頭検査を継続すると発表をいたしたところ、報道されたところであります。生産者や関係事業者、消費者等からは、少しは安心をしましたが、当面は継続をするとなっておりまして、果たしていつごろまで県は実施をされるのか心配であるという内容の声が多く上がっております。これらを踏まえまして、何点かについて知事の方に質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、昨年度でございますが、福岡県内におけます牛の食肉処理数は何頭で、そのうち二十カ月以下の牛は何頭であったのでありますでしょうか。また、新聞では全頭検査期間を当面は継続をすることにしたと報道されておりますが、BSE対策の全頭検査の期間について、もう少し具体的にお示しを賜りたいと存じます。
 次に麻生知事にとりまして、今回の牛の全頭検査とは一体何であったのでありますでしょうか。本件にかかります、検査問題に対します御認識を少しお伺いをいたしたいと存じます。今般知事は、政府がどのような対外対策を実施されようとも福岡県では引き続き全頭検査の実施をしていくと御決断をされたとの報道がございます。その検査の方法におけます評価と同検査継続実施のその理由をお尋ねをいたしたいと存じます。
 また、日本政府は本BSE対策について、アメリカ政府との交渉におきまして、生後二十カ月以下の牛を検査する対象から外す旨の方向性を示す一方で、各都道府県によります自主的な全頭検査の実施は容認し、そしてまた、その検査費用の補助も引き続き実施をする方針であるとの報道があったところであります。しかしながら、これは一国の、いわゆる食の安全に対します政府の信頼度が大きく揺らぐ可能性があると、私は大変驚いておるところでございます。本件に関する麻生知事の御所見を賜りたいと存じます。

◯大石正紀副委員長
 麻生知事。

◯麻生 渡知事
 まず、平成十五年度の県内におきます牛の屠畜検査頭数でございますけれども、四万六千七百四十九頭でございます。このうち二十カ月以下の若い牛の頭数でありますけれども、これは二千五百頭でございます。

 今回、福岡県は、国の全頭検査というものについての考え方の変更が行われましたけれども、これに対して我々は変更しないと。全頭検査をこのまま継続するのであるという方針を打ち出しました。なぜそのように考えたかということでございますけれども、第一は、何といいましても、消費者の皆さんが全頭検査ということを非常に信頼し、これによって不安感ということをなくしておるという実態がございます。平成十三年にこのBSEの問題が発見をされまして、非常に大きな安全上の問題になりましたけれども、これに対処するに当たりまして、思い切って全頭検査をしますと、一頭一頭検査をしますから、どうぞ安心して食べてくださいということを強く申し上げ、またこれを実行することによって消費者の信頼が回復したということであります。この非常に重要な全頭検査というベースを今崩すべきではないということが第一点であります。
 第二点目は、今回二十カ月以下の若い牛は、この検査の対象にしないという国側の見解なんですけれども、その見解を、よくこの理由を読んでみますと、これはなかなか、必ずしも本当にそれでいいのかどうかということについて、まだ十分なる議論が行われていない点があるんじゃないかということであります。つまりBSEについては、まだこの未解明の点が残っているんじゃないかと。そういうことがございますから、より我々は安全サイドをとるという意味で全頭検査を継続するという方針を決めました。では、その期間、今後いつまでやるのかということでございますが、これはこのBSEにつきまして、いろんな形で研究、解明が行われています。そして、検査方法の開発も進んでおるということでございます。これがさらに進みまして、いろんな角度から考えまして、新しい方法をとっても、消費者の皆さんに自信を持って安心でありますということが言える、そのような段階に達するということ、それまでは、我々は今の体制をやっていきたいというふうに考えております。
 以上です。

◯原竹岩海委員
 ありがとうございました。

 BSEの対策につきましては、安全と安心が一定確保されるまで、当面の間続けるということでございまして、一安心をいたしたところでございまして、一定の理解をいたしたところであります。ありがとうございます。
 方向性を少し変えてお話を申し上げたいと思いますが、知事、これは「日本農業新聞」ということでございますけれども、この中に「農務省」という表現をされておりますが、これはアメリカ政府の農務省のことでございます。アメリカ政府の内紛の一部の報道が詳細に書いてありまして、この内容でございますけれども、アメリカ政府の農務省が妨害と、日本の要望にこたえたいと、アメリカの会社がブロックをされております。その内容でありますけれども、米国カンザス州にございます食肉処理会社クリークストーン・ファームズは、「BSEの全頭検査を独自に行うための施設を増設をしたが、農務省の妨害で検査は宙に浮いたままだ。ビル・フィールディング最高執行責任者は、『仮に日本向けの牛肉輸出が再開されるとしても、BSEの全頭検査を独自に行いたい』と述べた。同社は米国農務省に対して、春以降自主的な全頭検査を認めるように要請をしていた。同氏は『日本の消費者が牛の全頭検査で安心を得られるのであれば、牛を供給する側はそれに応じることが当たり前だ』と述べた」。これは当たり前の内容です。消費者の要求に生産者が国内外を問わず要望にこたえるということは当たり前のことではないでしょうか。しかし、「検査に欠かせない薬剤は農務省が許可をしないため入手できない状態が続いている」と同氏。農務省は全頭検査の撤廃を求めて日本政府と交渉をしている最中で、米国で全頭検査を認められないと。アメリカの政府が意地を通しております。消費者が生産者側にしっかりついているのは日本政府ではないでしょうか。まして、日本政府は揺らいでおります。福岡県は揺るぎないわけであります。こういった安全と安心の信頼をしっかり今後ともお願いを申し上げたいと思っております。
 最後でございますけれども、麻生知事におかれましては、食の安心と安全の先頭に立っていただきまして、福岡県政の発展のため、今後とも御尽力を賜りますようお願いを申し上げまして、本当に簡単でございますが、私の質問を終わります。ありがとうございました。