平成16年度 決算特別委員会 (2005.10.27)

竹林政策

◯原竹岩海委員 
緑友会・新風の原竹と申します。

 きのう、産業廃棄物の問題で一生懸命訴えさせていただきました。おかげで、先ほどの情報では、法廷闘争に結果が出まして、福岡県がどうもいい結果が出たようでありまして、その勢いで、同じ環境の問題として、きょうは森林行政について質問させていただきたいと存じます。その中でも、今回は竹林政策についてお伺いをいたしたいと存じます。
 里山と申しますのは、かつて薪や炭の材料の宝庫としまして、本当に大事にされてまいりました。また、春になりますと、多くの人々がタケノコの採取などをして、日常生活の中で森林環境の維持や管理がなされてまいったと、こういったことが現状ではなかったでしょうか。しかし、近年ですけども、農山村の著しい過疎化、そしてまた中国を初めとします諸外国からの食材としてのタケノコなどが大量に我が国に輸入されるなどの影響もございまして、放置された里山が多く見られるようになったことは、本当に残念なことであります。その中でも、竹林におきましては、手入れの不足によりまして、広く竹やぶ状態になりまして、杉などの生息を阻害するなど、到底、竹の侵入によります森林被害も看過できるような状態でないと思うわけであります。
 これらを踏まえまして、幾つか質問させていただきたいと思いますが、このように、侵入竹がこうも増加をしてきたわけでございます。その原因についてお示しをいただきたいと存じます。

◯高岡 新委員長 
林緑化推進課長。

◯林緑化推進課長 
竹材の需要が減少したことには、安価なタケノコ、竹製品の輸入、竹生産者の高齢化、後継者不足によって竹林が放置されたことに加えまして、隣接します森林におきましても、長引く材価の低迷や、需要の減少などで手入れがされなくなったことによりまして、それらが相まって侵入竹が増加したものと考えております。

◯原竹岩海委員 
それでは、現在、侵入竹の面積はどれぐらいでありますか。

◯林緑化推進課長 
平成十五年に県下の侵入竹の調査をいたしました。その面積は約五千二百ヘクタールでございまして、県下の人口林面積のおよそ四%に当たるぐらいが侵入されていると考えております。

◯原竹岩海委員 
県下の人口林面積の四%、面積で五千二百ヘクタールという報告がございました。

 四%というのは、多いのか、少ないのか、私はわかりませんが、私の県民の感情で申し上げましたら、ミカン箱がございますけども、ミカン箱の中で一個のミカンが腐敗しますと、これがばっと広がるということで、ミカン屋さんとか、八百屋さんがそれをしょっちゅうとってあります。こういったことが、一方では手入と言うのだろうと思いますが、こういった四%が、将来四〇%になって、五〇%になるのではないかなと素人では心配をするわけです。この侵入竹の森林に対します影響は、県としてはどのようにお考えでありますでしょうか。

◯林緑化推進課長 
侵入竹による影響といたしましては、侵入された森林の正常な生育を阻害いたします。それによりまして、皆さん御存じのように、言われております森林の持つ多面的な機能を低下させるということが懸念されると思います。

◯原竹岩海委員 
農業問題とか、林業問題とか言いましたが、多面的機能という表現がデスクワークの中でいっぱい出てまいります。こういったことはすばらしい表現だと思いますが、そういった機能を生かすというのが我々の仕事ではなかろうかなと思っておりますが、回答の中に、森林の持つ多面的機能ということがありましたが、今まさに地球温暖化の防止の施策として、我が国では森林行政の拡充というのが、一方ではしっかりと政策の柱となっております。この侵入竹を解消し、健全な森林を取り戻すということが、私は非常に大切と、このように考えるわけでありますが、具体的にどのような対策を講じられていらっしゃいますのか、お示しいただきたいと思います。

◯林緑化推進課長 
平成十六年度に県単事業によります侵入竹緊急伐採事業を創設いたしました。また、竹に対し一部の除草剤の使用が認められましたので、本県でその使用方法を研究し、開発いたしました。平成十七年度から薬剤による効率的な侵入竹の処理も計画しております。また、国庫補助によります造林事業においても、侵入竹の伐採について取り組んでおります。

◯原竹岩海委員 
今、除草剤、薬剤処理という御回答をいただいたわけでございますけれども、具体的に福岡県のどの辺でそういった薬剤処理というものを実施なさるのか。そしてまた、結果はいつごろ出るのか。そしてまた、薬剤処理の結果については御報告をいただきたいと存じますが、いかがでしょうか。

◯林緑化推進課長 
北九州市
小倉南区でありますが、本年十一月に実施する予定でございます。冬場でございますので、その効果は四、五カ月後に明らかになると考えております。結果が出次第報告いたしたいと思います。

◯原竹岩海委員 
ありがとうございます。

 これはあくまでも実験だろうと思いますけども、早く、すばらしい効果が出る、その政策というものをしっかり確立を、福岡県政の中でお示しをいただきたいと思っております。
 それでは、県全体としましての今後の侵入竹の対策はどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたしたいと存じます。

◯林緑化推進課長 
今申しました侵入竹の対策を進めるほか、侵入竹の発生源であります放置された竹林につきましても、関係者と協議を進めまして、タケノコなどの生産する竹林へ再整備いたしましたり、他の樹木への転換する取り組みを進めていくとしております。

◯原竹岩海委員 
一定の御回答を賜ったところでございまして、これは継続性がありますから慎重に見守ってまいりたいと思っておりますが、今回のこのやりとりを部長の方はしっかり伺っておられるわけでございまして、最後に部長の御決意とお考えを承りたいと思っております。

◯高岡 新委員長 
本田水産林務部長。

◯本田水産林務部長 
委員御指摘のように、竹林対策につきましては、私ども、緊急かつ重要な問題だとしっかり認識しております。侵入竹対策のみでなく、先ほど課長が言いましたように、発生源対策もあわせていくことが非常に重要だと考えております。それから、先ほど課長が紹介しました、県が開発しました薬剤処理の使用などは大きな期待が持てます。これは普及を進めながら、竹林の所有者を初め関係者と一体となってしっかり竹林対策に取り組んでまいりたいと思っております。

◯原竹岩海委員 
前向きな御回答をいただきました。

 日本がいっぱい抱えております森林行政の悩みというものを、こういうすばらしい政策として、ひょっとすると福岡県が突破口をつくるのではなかろうかと思っておりますので、しっかりと頑張っていただきたいと思っております。今後とも森林行政の確立を目指して御尽力いただきますことを要望いたしまして、簡単ではございますが、質問を終わらせていただきます。