平成16年度 決算特別委員会 (2005.11.01)

道州制と市町村合併等の取り組み

◯原竹岩海委員 
緑友会・新風の原竹でございます。

 私は、道州制と市町村合併等の取り組みについて質問させていただきたいと存じますが、タイトルが大きくございまして、時間も限られておりますので、簡潔な御答弁の方をお願い申し上げたいと存じます。
 まず、本県におきます市町村合併等の当初の見通しを踏まえまして、現状についての御報告をお願い申し上げます。

◯井手善来副委員長 
中原地方課長。

◯中原地方課長 
本県におきましては、旧合併特例法のもとで、多くの地域において法定または任意の合併協議会、あるいは研究会が設置されましたが、それぞれの地域の事情によりまして合併協議が破綻したところもあり、結果として、旧合併特例法の経過措置期間が終了します平成十八年三月三十一日には、市町村数は六十九になる予定でございます。

◯原竹岩海委員 
今後の見通しはどうでしょうか。

◯中原地方課長 
今後の見通しについてでございますが、合併新法のもとにおきましては、
八女市上陽町瀬高町山川町高田町の三地域において、既に法定の合併協議会が設置されておるところでございます。また、八女市八女郡黒木町立花町矢部村星野村におきましても、研究会が設置されております。これらの地域におきまして、現在、熱心な合併協議が行われているところでございます。

◯原竹岩海委員 
今後の状況に関しまして、県はどのように取り組んでいかれるのでありますでしょうか。

◯中原地方課長 
本県におきましては、合併新法に基づき、さらに合併を進めていくこととしておりまして、本年七月に設置されました福岡県市町村合併推進審議会の調査審議を踏まえて、今年度末をめどに市町村の合併の推進に関する構想を策定することとしております。また、既に合併協議が開始された地域への支援や、合併機運の醸成のための情報提供などを行っているところでございます。

◯原竹岩海委員 
時間がないので、一点だけ絞り込んで質問させていただきたいと思っておりますが、一つの事例でございますけれども、十月十六日、百年ぶりといいますか、九州国立博物館が太宰府にできたわけでございますけども、国立の博物館が会館しました。入場者数は当初の見込みを大きく超えていまして、大変盛況のようでありまして、そこは
太宰府市と筑紫野市の境界線上に建っておりまして、多くの住民が市の境界を往来するわけでございまして、住民の方はますます境界がボーダーレスになっている。こういったことを踏まえまして、旧筑紫郡といいますか、四市一町でございますけれども、一つの区域として県の方は合併の考えがあるようでございますが、お示しください。

◯中原地方課長 
当該地域につきましては、平成十二年十二月に策定いたしました福岡県市町村合併推進要綱におきまして、旧筑紫郡での合併パターンを示しますとともに、関係市町に対し、合併協議を行うよう働きかけたところでございます。また、合併機運の醸成を図るため、地元の民間団体が行った合併推進に向けた取り組みや、平成十五年三月末に開催されました市民シンポジウムなどに対しまして、財政的な支援を行ったところでございます。

◯原竹岩海委員 
どうして私がこういうことをあえて伺ったかということでございますけど、旧筑紫郡の中で県が一つの合併の方向性を示しておられるという、そういった御認識をいただいておられる住民が少のうございます。少なくとも、こういったことの周知に、県の指導の方に問題があるのではなかろうかなと思っております。

 それでは、この地域に対する今後の対応についてはどうなさいますでしょうか。

◯中原地方課長 
県といたしましても、今後とも引き続き情報提供を行うなどいたしまして、合併機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。

◯原竹岩海委員 
今後とも慎重に見守ってまいりたいと思っております。

 それでは次に、県境を越えました市町村合併や道州制について幾つか質問させていただきたいと存じます。
 現在、福岡県の久留米市小郡市、佐賀県の鳥栖市基山町の三市一町は、筑後川流域クロスロード協議会というものを設置されておるようであります。この会の中に道州制勉強会というものがあるようでありますが、今後の地方のあるべき姿といたしましても道州制について調査・研究をされておるようでございます。議論のテーマでございますけれども、地方分権の進展に対応できる自治体の将来の受け皿づくり、さらには県境を越えた広域行政、道州制等が議題となっております。この、福岡県と佐賀県をまたがります三市一町による道州制勉強会に関しまして、お尋ねをいたすものであります。
 県境を越えました市町村がこのようなテーマで勉強会を開催されていることについての御認識を、どういったお考えをお持ちであるか伺いたいと思います。

◯中原地方課長 
本県
久留米市小郡市佐賀県鳥栖市基山町、この三市一町によります道州制勉強会が設置されまして、道州制等について熱心に議論されているということは承知いたしております。
 このように、市町村が真剣に地域の将来を考える、県境を越えた交流、協力、提携関係をつくっていくこと、また、さまざまなテーマに関心を持って勉強会を開催されていることは、大変有意義なことだと考えております。また、三市一町から県に対しまして情報提供などの要請があれば、できる限り努力したいと考えております。

◯原竹岩海委員 
努力という発言がございました。一歩、これは前進じゃかなろうかなと思っておりますが。

 自分の知り得た情報でございますが、県境を越えました合併の事例でございますけれども、本年二月十三日に岐阜県の中津川市が長野県の山口村と合併したということを伺っております。県境を越えた市町村合併問題におきましては、麻生知事も、平成十四年二月議会におきまして、県境を越えた合併が具体的に進むことになった場合には、丁寧かつ細心な議論と研究が必要であると御答弁をいただいておるところであります。その後、新たに佐賀県の市町村との合併に関する勉強会等が開催されておられるわけでありまして、このような県境を越えました市町村合併の動きについて、改めて県のお考えを伺いたいと思います。

◯中原地方課長 
県境を越えます市町村合併につきましては、合併によって県の区域が変更になるという重要な案件でありますので、その地域のみならず、それぞれの県民の意向というのが非常に重要になってまいります。また、それぞれの県の総合計画や財政運営、さらには産業構造や経済に大きな影響を及ぼすことがあります。このため、もし、具体の動きがある場合には、関係する県や市町村と情報や意見を十分交換し、慎重な配慮をしながら対応を検討していかなければならないと考えております。

◯原竹岩海委員 
それでは、一定の回答が出たところでありまして、次に、道州制について伺いたいと思います。

 私は、昨年の六月議会におきまして、北部道州制というものを御提案させていただいたわけでありますけれども、さきの九州知事会におきまして、本年六月に報告書として将来の道州制の形という公表がされたところであります。この報告書では、九州におきます道州制の区域について、九州は一つとされております。私も、最終的には九州が一つというのが望ましいと存じますが、九州が本当に一つになるためには、相当な年月がかかるものと想定するわけであります。当面は福岡県を中心に、佐賀県と長崎県を先行させる道州制、北部道州制というものを訴えさせていただいたところであります。
 そこで、質問でございますが、九州地方知事会の研究会の状況等について、現在の研究会の活動状況はどのようになっているのでありますでしょうか。また、今後、どのような方向で検討を進められていくのかお示しをいただきたいと存じます。

◯井手善来副委員長 
田代行政経営企画課長。

◯田代行政経営企画課長 
九州地方知事会の研究会の活動状況でございますけども、委員御指摘のように、六月に報告書を取りまとめて知事会に報告したところでございますけども、その知事会におきまして、その後の研究会の取り組みとしまして、三つの方向性が確認されたところでございます。

 一つは、各県共通の課題につきまして、共通の政策を練り上げて実行していく政策連合の積み上げというアプローチからの道州制に至る道筋の研究をしていこうということでございます。二つ目としまして、経済団体との意見交換とか、共同研究を実施していこうということでございます。三つ目が、外国の道州制の事例につきまして、具体的な運用実態等も含めた調査・研究を行うという、三つの方向性について、今後、取り組みをしていくこととなっておるところでございます。
 この中の、二番目の経済団体との共同研究につきましては、去る先月の二十五日に開催されました九州地域戦略会議におきまして、道州制検討委員会が設置されたところでございまして、その委員会の場で共同研究を進めていくこととなっておるところでございます。

◯原竹岩海委員 
今の回答は、新聞の報道内容から深まっていないと思うんですよ。ここは審査の委員会でございますので、先生方も真摯に聞いておられますので、その辺のところをもう少し御配慮いただけたらなと思っております。

 今の答弁で、道州制検討委員会という言葉が出てまいりました。どういった体制で、今後、どのようなことについて検討がなされるのでありますでしょうか。

◯田代行政経営企画課長 
九州地域戦略会議の道州制検討委員会でございますけども、この委員会は、九州各県の担当部局長と九州・山口経済連合会、さらには九州経済同友会などの経済団体の代表、全体で十五名の委員から構成されておるところでございます。

 委員会での具体的な検討内容でございますけども、九州知事会、九経連、経済同友会それぞれから道州制に関する報告書が出されておりますけれども、その内容が異なっている部分、意見の違っている部分等もございますので、まず、そういったお互いの意見の違っているところから整理を行い、共通の認識を図っていくこととされているところでございます。また、それとあわせまして、道州制に関して、住民の方々の関心を高めて、議論を喚起していくことも必要となりますので、そういった取り組みにつきまして検討していくこととなっているところでございます。

◯原竹岩海委員 
時間が限られておりますから、県内の市町村合併に変わりますけど、これがきょうの西日本新聞の朝刊に載っておりまして、「合併必要が六四%」と書いてありました。こういった大きな見出しであります。これは、市町村の合併について、県が、政令市を除く県内の市町村議会、議員を対象にアンケートを実施したという内容でございまして、我々よりもしっかり知ってあると思いますが、この中で、特筆といいますか、少し確認することがありますけれども、これはあえて自分の感じたこととして、今回申し上げますが、人口が少ない市町村の議員ほど必要性の割合が高いという意見が出ておるということでございます。地域別に区切ってありますが、その中でも、合併の必要が最も低かったのは、地域内の全市町村の合併が成立しておる甘木と朝倉、この辺が低かったということで、その理由は、「既に合併が終わったので」といったことでございます。この中で、本年四月に施行されました合併新法に基づき、県の合併構想対象市町村に指定されていることに関しては、「賛成」、「どちらかといえば賛成」が六割以上を占めておるということでございます。ですから、今後、県が意思を持って動くということが、非常に大事になってくるのではなかろうかなと思っております。

 そしてまた、最後でございますけども、道州制に関してですが、まさに国の形を変える大きな改革であります。政府では、地方制度調査会が道州制の審議を進めておりまして、来年の二月には一定の答申を出す予定というふうに聞いております。そしてまた、市町村におきましても、先月、九州市長会が初の会合をなされまして、来年の春までに九州の道州制のあり方の骨格を出してみたいという発表をなされております。まさに、市町村も国も動いております。こういったことに真ん中の県が何をやるかといったことが一番大事なことになっております。
 これらを踏まえまして、福岡県は、九州知事会におきまして早い時期から道州制の検討に取り組み、九州各県をリードしながら報告書をしっかりまとめられたところであります。地方の知事会がこういった報告書を慎重に扱いながら、市町村合併のリーダーシップをしっかりとっていただきますことを要望申し上げまして、時間でございますので、質問を終わりたいと存じます。
 以上です。ありがとうございました。

~略~

地球温暖化問題と森林に関する環境税

◯原竹岩海委員 
緑友会・新風の原竹でございます。

 私は地球温暖化問題と森林に関する環境税について質問をいたしたいと存じます。
 委員長、その前に資料要求をいたしておりましたので、お取り計らいの方よろしく願い申し上げます。

◯高岡 新委員長 
執行部に申し上げます。ただいま原竹委員から要求がありました資料については提出できますか。尾座本課長。

◯尾座本環境政策課長 
直ちに提出できます。

◯高岡 新委員長 
お諮りいたします。ただいま原竹委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕

◯高岡 新委員長 
御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。

 提出予定の資料を正副委員長に確認させてください。
    〔資料確認〕

◯高岡 新委員長 
それでは、ただいまより原竹委員要求の資料を事務局から配付させます。

    〔資料配付〕

◯高岡 新委員長 
それでは、原竹委員、資料の配付がありましたので、質疑を行ってください。

◯原竹岩海委員 
温暖化の問題に関しましては、執行部とお互いの認識がございますので、前語りをやめまして、質問に入りたいと思っております。

 まず、本県の温暖化ガスの排出量の現状はどのようになっておるのかお答えください。

◯尾座本環境政策課長 
本県の温室効果ガスの排出量の現状につきましては、ただいまお配りいたしました資料の一ページ、「温室効果ガス総排出量の推移」をごらん願います。

 表の「経緯及び基準年度比」の欄にあるとおり、本県の温室効果ガスの総排出量は、京都議定書の基準年であります一九九〇年の六千百二十二万トンと比べまして、二〇〇二年度は六千九十八万トンであり、排出量で二十四万トン、率にして〇・四%減少いたしております。

◯原竹岩海委員 
本県の温暖化ガスの現状でございますけども、平成二年に比べまして七・四%伸びていると報道されております政府の現状に関しまして、大幅に低いわけですが、その原因についてどのように分析されておりますでしょうか。そしてまた、将来の見通しについてはどのようにお考えなのかお答えください。

◯尾座本環境政策課長 
本県の温室効果ガスの現状が低い原因につきましては、お配りいたしました資料の二ページ、「二酸化炭素の部門別排出内訳」をごらん願います。

 本県の排出量の現状が、一九九〇年に比べ、わずかではありますが減少している原因は、本県の産業構造によるものでございます。具体的には、産業部門と工業プロセス部門の合計が全体の六〇%を占め、全国の四一%と比べて非常に大きな割合を占めており、このことが一九九〇年代の経済の低迷と重なり、本県の排出量をわずかに減少させた原因であると考えております。
 また、排出量の将来見通しにつきましては、資料の三ページ、「二酸化炭素の部門別排出量の推移」をごらん願います。
 先ほど、全体ではわずかに減少しているとお答えいたしましたが、部門別では、家庭部門が一四%増、オフィス部門が一五%増、それから運輸部門が三二%増と、それぞれ県民生活に密着した部門からの排出量は増加しております。排出量の将来見通しにつきましては、人口、世帯数、経済活動の状況、自動車保有台数等の基礎データをもとに現在推計中でございますが、家庭部門やオフィス部門、さらに運輸部門は、引き続き増加すると予想されます。

◯原竹岩海委員 
報告では、何も対策をとらなかった場合は、家庭とかオフィス、そして運輸部門は引き続きぐっと伸びるということでございます。

 削減に向けまして、今後、県はどのような対策をとっていかれるかということでございますけども、少なくとも地球温暖化対策推進法、京都議定書の目標達成計画で求められております推進計画の策定はどうなっているのか伺いたいと思います。一刻も早く、こういったものをしっかりと策定し、県民に広く周知をするということが一番大事なことではなかろうかなと思っております。その辺の、策定の進捗状況と公表の見通しをお願い申し上げます。

◯尾座本環境政策課長 
福岡県地球温暖化対策推進計画につきましては、平成十七年十月十四日に福岡県環境審議会に対しまして計画策定を諮問したところでございます。審議会では、温暖化対策推進計画専門委員会を設置され、現在、温室効果ガスの削減目標など、計画の具体的な内容について御審議をいただいているところでございます。公表につきましては、審議会の答申を受けた上で、なるべく早い時期に策定し、公表したいと考えております。

◯高岡 新委員長 
この際、各委員に申し上げます。本日の審査は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合によりこのまま続行させていただいます。よろしくお願いいたします。

◯原竹岩海委員 
今のは何か一般論のような感じで、もうちょっと具体的に、削減に向けました具体的な取り組み、そして基本的な考え方といいますか、その辺をもう一回、深いところで御回答をいただきたいと思います。

◯尾座本環境政策課長 
地球温暖化対策につきましては、現在、福岡県環境総合基本計画に基づく施策を進めているところでございます。計画では、地球温暖化防止のための行政の取り組みとして、まず、家庭やオフィスビル、自動車等における省エネルギー対策の推進、次に、太陽光発電等の新エネルギーの普及促進、そして、温室効果ガス吸収源確保のための森林の適正管理や、町の緑の創造などを大きな柱として掲げております。環境審議会の答申を踏まえての話ではございますが、地域推進計画におきましても、基本的にはこの方向で施策を進めていくことになると考えております。

◯原竹岩海委員 
今、森林整備によります二酸化炭素の吸収ということを公表されたわけでございます。これを踏まえまして、森林環境の保全をすべく、仮称でございますけれども、森林環境税の導入の考え方や県の進捗状況等についてお伺いいたしたいと存じます。

 私は、昨年の決算委員会で森林環境税に関する全国の導入状況を伺ったところであります。その後の全国の森林環境税の導入状況はどのようになっておりますでしょうか。また、昨年のこの時期に比べ、何県の増加があったのかをお尋ねします。

◯高岡 新委員長 
水上林政課長。

◯水上林政課長 
森林保全のための税につきましては、平成十五年度に高知県で、平成十六年度に岡山県で導入されています。また、平成十七年度に鳥取県、島根県、山口県、それから愛媛県、熊本県、鹿児島県の六県で導入されております。現在、八県で導入されておりまして、昨年のこの時期には二県で導入されておりますので、この一年間で六県の増加という状況でございます。

◯原竹岩海委員 
いろんなところはしっかり勉強されまして、先駆的な取り組みがしっかりなされておるというふうに私は考えております。

 それでは、九州では熊本県と鹿児島県で既に導入されておるわけであります。その税収は、どのような使途目的になっておるわけでありますでしょうか。

◯水上林政課長 
まず、熊本県でございます。熊本県の税収の使途といたしましては、手入れをされていない人工林を針葉樹と広葉樹が入りまじった森林へ誘導することや、ボランティア活動の支援などが実施されております。

 また、鹿児島県におきましては、公益的機能の維持増進のための森林整備や、森林について県民に理解を深めるためのシンポジウムの開催などに実施されているところでございます。

◯原竹岩海委員 
報告は簡単でございましたが、私も政務調査をいたしまして、自分なりに熊本県と鹿児島県の資料を持っておるわけでございますけど、もうちょっと使途の目的については重要なことが書いてあると思います。熊本県でございますが、水とみどりの森づくり税という税になっています。そして、鹿児島県は、そのまま、名称は森林環境税となっております。

 熊本県の方でございますが、「重要な水源涵養、地域などにある手入れがなされていない人工林を対象に、通常よりも間引く本数を多くした間伐を行う。これにより、針葉樹と広葉樹がまじり合った自然に近い森林になるようにする」と、こういったことがしっかり書いてあります。二番目でございますけれども、「人工林の伐採後、植栽が行われず、放置され、自然災害の発生のおそれがある山に広葉樹を植栽して、災害を防止する」という目的であります。はっきり目的が書いてあるわけでございまして、私は、これはすばらしい取り組みだと思います。一方の鹿児島県も似たような取り組みで、しっかり議会も通っておるわけですし、県民にもしっかり周知がなされております。
 ここで少し問題になりますのが、これが産廃税のような法定外目的税のように一方では認識をされがちでございますけれども、両県とも、個人ですと五百円を上乗せするという一般税でございまして、この辺の県民に対する周知が非常に難しいことはよくわかる。しかしながら、こういった環境を大事にしなければならないといったことを、行政と議会がしっかり取り組んで、増税ということではなく、自然環境を守るという、そういった目的を持って動けば、県民にしっかり御理解いただけるのではなかろうかと思っております。
 それを踏まえまして、本県では、昨年十一月に研究会を立ち上げられたと伺っておりますけれども、どのような研究を行われたのかお尋ねします。

◯水上林政課長 
研究会でございます。本県で行っておる研究会では、まず、本県の森林、林業を取り巻きます状況、それから、地球温暖化防止を初め水源涵養や県土保全など森林が持ちます公益的機能や、その低下の状況、それから、京都議定書におきます森林の役割、それからまた、税の仕組み及びその使途等について研究を行っておるところでございます。

◯原竹岩海委員 
一定の理解はできます。私が言いたいのは、ほかの県は税の導入が進んでおります。福岡県は少し出おくれているのではないですかということを何回も質問させていただいておるわけでございます。研究会が設置されましてからほぼ一年が経過いたしております。なぜ結論が出ないのでしょうか。

◯水上林政課長 
既に導入されている県を見てみますと、森林率が六三%から八四%と高くて、これに比べまして本県では四五%と低い森林状況でございます。さらに、森林の少ない都市部の住民の皆さんが大半を占められることから、都市部の皆さんの理解と協力を得ることが何よりも大事だと考えております。このため、既存の森林整備だけではなく、どうすれば都市部の住民の皆さんの理解が得られるかということについて、今、慎重に研究を重ねているところでございます。

◯原竹岩海委員 
執行部の方からは福岡県は森林の面積が四五%と低い状況でありますということですけれども、一〇〇%だったらいいのでしょうか。九〇%だったらいいのでしょうか。パーセンテージが広いとか、狭いとかいう問題ではないと思います。

 森林行政の確立ということが、京都議定書の目標達成の中にはっきりあるわけでございます。今後はしっかり具現化をやっていかなければならない。こういったことを踏まえて、先進県では、早速、しっかり取り組んでおられるわけでございまして、一方の熊本県とか、鹿児島県でございますが、こういった上乗せの税に関しまして反発の声はほとんどないわけです。目的をしっかりと持った税でございますので、こういったことに一日も早く具体的になりますように、しっかり取り組んでいただきますことを要望申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。