平成19年度 決算特別委員会 (2008.11.5)
災害時避難所
◯原竹岩海委員
こんにちは。民主・県政クラブでございます。原竹といいます。よろしくお願い申し上げます。
私は、災害に関する避難所について幾つか質問をいたしたいと思っております。
我が国では地震や集中豪雨などの自然災害によりまして、全国各地に大きな被害が発生をいたしております。本年六月でございますが、岩手・宮城内陸地震、八月には愛知県を中心に、東海と関東方面に集中豪雨が発生をいたしております。そして多くの死傷者が発生するとともに、多くの被災者が避難を余儀なくされております。また本県におきましても、平成十七年三月二十日でございます。日曜日、午前十時五十三分、大きな地震は起きないと信じられておりました福岡におきまして震度六弱の大地震が発生をしたところであります。このような状況を踏まえまして、災害の発生時に関しまして、住民の皆さん方が避難をされます避難所をしっかりと確保することが重要であると自分は考えるわけであります。
そこで、この避難所について幾つかの質問をいたしたいと存じます。
最初でございますが、現在本県には避難所が多く設置をされております。これはいつごろから設置をされるようになったのか、またどのような法律に基づいて設置をされておるのか、その辺をお伺いします。
◯後藤元秀委員長
平島消防防災課長。
◯平島消防防災課長
避難所の設置の歴史につきましては、よく把握はできておりませんけども、少なくとも江戸時代の文献には、火災の際には主に神社、それから寺院などが避難所として活用されていたというような文献が残されております。また、大正時代の関東大震災の際にも、この神社、寺院のほかにも、学校、それから役場、こういったところが避難所として活用されていたと聞いております。
それから、避難所についての法的な根拠でございますが、災害対策基本法、これは昭和三十六年に制定をされておりますが、災害が発生、または発生するおそれがある場合には、市町村長は住民等に対しまして、避難勧告、また避難指示ができるようになっております。その際に避難先を指示することができるということが規定されているところでございます。また、この災害対策基本法を受けました消防庁長官の通知によりまして、避難所につきましては、災害種別等を考慮してあらかじめ指定し、住民に周知徹底を図ると。で、災害時の必要に応じて適宜開設できる体制を整えておくことと、より具体的に示されているところでございます。
◯原竹岩海委員
江戸時代からということでございまして、災害時に地域住民が避難をする場合でございますけども、避難所の安全性がしっかり確保されている、そして避難をする住民の人数にしっかりと施設が適応することを必要とするわけでございます。それで問題は、避難所はだれが指定をされるのかということが一点です。そしてもう一点でございますが、何らかの設置基準があるのだろうと思うんですが、どのような設置基準でございますか。
◯平島消防防災課長
避難所の指定でございますが、これは災害対策基本法に規定されているとおり、市町村長が行うようになっております。また、避難所の指定に当たりましては、災害の種別、立地条件、それから設備構造、こういったものを考慮して指定することとなっておりまして、例えば地震があったときの避難所として活用する場合には、耐震性や耐火性というのが求められております。また、水害時の避難所といたしましては、洪水の影響を受けないような場所であるとか、がけ崩れが発生する危険性が少ない立地であるということが必要になってまいります。このような条件を考慮しながら避難所が指定されているというところでございます。
◯原竹岩海委員
地震のときはこの避難所、水害のときにはこの避難所とありますが、瞬時に災害のとき、こういったときはこっちに逃げる、こういったときにはこう行くんだということは、判断が非常に難しいのではなかろうかなと自分は考えるわけです。
審査に入る前に、委員長、資料要求がございます。資料の内容でございますけれども、福岡県内の避難所の数についての資料の要求を申し上げます。
◯後藤元秀委員長
お諮りいたします。
ただいま原竹委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
◯後藤元秀委員長
御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま原竹委員から要求がありました資料については、提出できますか。
◯平島消防防災課長
直ちに提出させていただきます。
◯後藤元秀委員長
その資料を正副委員長にお渡しください。
〔資料確認〕
◯後藤元秀委員長
それでは、ただいまより原竹委員要求の資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
◯後藤元秀委員長
資料が配付されました。原竹委員、質疑を行ってください。
◯原竹岩海委員
資料、どうもありがとうございました。
それでは、福岡県内の避難所の数の資料について簡単に御説明をお願いします。
◯平島消防防災課長
ただいま配付いただきました資料は、平成十九年四月一日現在の県内の避難所の数を示したもので、福岡、北九州両政令市の分も含んでおります。県内にトータルで三千七百七十五施設が避難所として指定をされております。その内訳は、学校といいますのは小・中学校、高校、大学、特殊学校すべて含まれております。千百二十二カ所。それから公民館が千三百八十五カ所、集会所が五百四十カ所等々でございます。また、その他には、コミュニティーセンター、それから市町村の庁舎等が該当いたします。
以上でございます。
◯原竹岩海委員
避難所の数については一定の理解ができました。しかしながら、こういった多くの数でございますが、地域住民の方に対する周知徹底、これは経過の中で質問を自分はしなければならないと思いますので、御回答ください。
◯平島消防防災課長
住民に対する避難所の周知でございます。これはそれぞれの市町村で防災マップというのをつくっております。これは災害危険箇所とか避難所等々を記載した地図でございまして、これを作成して住民の方々に配布をしたり、市町村のホームページに掲載をしております。また、避難所の場所については、案内板を設置するなどにより周知を図っているという状況でございます。
また、県といたしましても、県全体の避難所の位置でありますとか、情報を提供する必要があるということから、平成二十年三月に、県のホームページでございますが、県内すべての市町村の避難所の地図を掲載し、県民の方々があらかじめ避難所の場所を確認できます福岡県避難支援マップというのを提供を開始いたしたところでございます。
あわせまして、「防災メール・まもるくん」からも県内すべての避難所の位置が検索できるようにできております。特にGPS機能を持った携帯電話からは、県内のどの場所にいても、現在地からの最寄りの避難所が検索できる、しかもその最寄りの避難所までの経路についても確認できるというようなシステムを構築いたしまして、情報の提供を行っているところでございます。現在その周知にも努めております。
◯原竹岩海委員
私は筑紫野市というところに住んでおりますけれども、地元には多くの公民館とか集会所がございます。ほとんどのところで、立派な大きな「避難所」と書いた看板が立っております。その中でも、幾つかでございますけれども、周辺の住宅街よりもはるかに古い時代に建設をされたのではなかろうかという集会所とか公民館が現存するわけでございます。こういったことを考えた場合、これがいうところの避難所としてちゃんと適応するのかと心配するわけでございます。県として、このような状況についてどのように考えておられるか伺いたいと思います。
◯平島消防防災課長
お答えします。市町村長はあらかじめ指定されました避難所の中から、例えば風水害、地震、それから事故災害といった災害の種類を勘案いたしまして、また被害が出た地域の範囲でありますとか、避難者の人数等に応じて、さらにまた、その避難所の安全性を確認した上で必要な避難所を選んで開設しているところでございます。したがいまして、多少古くても用途によって避難所として活用できる場合もございます。市町村において、使用の目的等に応じて住民の方が安心して避難できるよう適切に対応がなされていると考えております。
◯原竹岩海委員
今の回答の中で、普通の県民としてどうかなということがちょっとあるんですが、一つは先ほども申し上げましたが、避難所は災害の種類別で区別をやっております。これは行政の縦割りからそういったことが来るのだろうと思いますが、住民は逃げるところは一カ所なんですよ、大体。こういったことで、統一性というのが緊急事態の場合には必要ではないかと私は考えるわけです。
もう一点でございますけれども、多少古くても避難所として活用ができるんだということ。そういった認識が地元の住民の方との開きを感じるわけでございます。しかしながら、調べたところでは、集会所とか公民館は自分たちで頑張らなければならないという構造物であります。こういったところで自分たちもサンドイッチになっております。しかしながら、福岡県、行政のほうは指導、徹底をしなければならないと、私はそのような意見を申し上げたいと存じます。
そして、次でございますけれども、住民がいざというときに安心して避難ができるような条件にかなった多くの避難所というのが利用できるように準備をしておくことが必要だと考えます。こういったことを考えた場合、災害時の避難所の確保について県の考え方を伺いたいと思います。これは部長に答弁をお願いします。
◯後藤元秀委員長
山崎総務部長。
◯山崎総務部長
災害発生時、特に大規模な災害が発生しました場合に、我々が一番最初に考えなくてはいけないのは、県民の皆さんの生命、身体の安全の確保ということになります。そういう中で、避難所の果たす役割というのは、御指摘のように非常に重要な部分がございますので、市町村のほうに災害種別に応じまして、できるだけ多くの避難所を確保していただくように機会あるごとに要請をしていきたいと思いますし、県民の皆さんたちに対しては、どこにどういう避難所があるか引き続いて周知徹底に努めていきたいと考えております。
公立学校の耐震化
◯原竹岩海委員
ありがとうございました。
今回の質問の視点でございますけれども、先般の福岡県の大地震から自分たちは何を学んだかといったことでございまして、多くの議員の先生方が本会議場でも地震については、対策等について質問にしっかり立っておられます。自分はこのような避難所の視点から質問をいたしたわけでございます。
そして避難所といいますと、学校とか体育館、こういったことも対象に当然なってまいります。こういったところで、教育委員会のほうにも何点か質問と確認をさせていただきたいと思います。
公立の小・中学校はこれからの日本を背負ってしっかり立つ子供たちが安全で安心をし、教育を受ける場でありますが、問題は耐震化でございます。耐震化が進めば、当然避難所にもなるわけでございます。こういったところで、公立小・中学校全体の耐震化の進捗状況についてお伺いします。
◯後藤元秀委員長
今田施設課長。
◯今田施設課長
学校というのは、全校舎が一挙に建つというものは移転、新築などの場合で、普通教室や特別教室の棟ごとに少しずつ老朽改築をする例も多くございまして、一つの学校が丸ごと耐震化が図られているとは言い切れないものでございまして、耐震化という場合には、棟別に耐震性があるかどうかを調べるという手法をとっております。
平成二十年四月一日現在、千百五校あります県内の公立の小・中学校の耐震化の状況でございますが、全棟数が五千百二十一棟あります。このうち昭和五十六年以前の旧耐震基準で建設された建物は三千六十八棟ございまして、そのうち耐震性が確認されたもの、または補強済みの建物を差し引きますと、耐震性があるとされております耐震化率は五一・四%となっております。なお、平成十九年度の耐震化率四七%に対しまして、四・四ポイント上昇をしておるところでございます。
◯原竹岩海委員
四・四ポイントの上昇ということでございますが、耐震化率は半分ちょっとの進捗状況でございまして、もう少し急いだほうがいいのではないかということを申し上げたいと思います。
小・中学校の耐震化でございますけれども、設置者は市町村が主体でございます。こういったことで、市町村、財政問題が中心でございまして、学校の校舎等の耐震化については、地元の政策の中の優先順位というのがあります。こういった現状で、非常に地域間にばらつきがあるのではなかろうかなと考えております。そして財政力で耐震化、安全と安心が県下の中でばらつきがあってはいけないと心配をする県民の一人として伺いたいんですが、県の防災行政としてはこれは大きな問題でございますので、今後こういった対応についてどのように考えておられるのか、その辺のところを伺いたいと思います。
◯今田施設課長
本年六月、地震防災対策特別措置法というものが一部改正をされまして、震度六強の地震で倒壊の危険性が高い建物、これの耐震補強につきましては、従来二分の一の補助率が三分の二にかさ上げをされております。あわせて地方債、これの充当率も七五%から九〇%に上がり、元利償還金の交付税措置が五〇%から六六・七%とそれぞれ引き上げられるなど、地方財政措置の拡充、これが幅広く行われましたことから、実質的な地方の負担率は三一・二五%から一三・三%に減少をしております。
また、本年八月、政府におきまして取りまとめられました安心実現のための緊急総合対策というのがありまして、これに公立小・中学校施設の耐震化加速ということが盛り込まれまして、補正予算にも千百十九億円が計上をされております。この補正予算におきます事業については、先ほど申し上げました地方債の充当率が引き上げられておりますので、国庫補助以外の分についても一〇〇%充当ということが可能になっております。このような公立学校の耐震化に対する支援措置を受けまして、県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対し、引き続き国庫補助率かさ上げの趣旨等につきまして、説明会や研修会などを実施して、国庫補助等の活用が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
◯原竹岩海委員
時間がございませんので、あとの問題は省略します。耐震化についてでございますが、先ほどの説明では、国庫補助が半分から三分の二にかさ上げをされたということでございますが、冒頭申し上げましたけども、市町村では負担金を支払うことができないという財政状況がございます。こういったことを訴えたつもりであります。福岡県におかれましては、今後とも安全と安心のため、耐震化の行政に御尽力を賜りますことを要望申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。