平成15年度 予算特別委員会 (2003.07.11)

産廃と水道水源

原竹岩海委員
お疲れさまでございます。一年生議員として、唯一自分が県知事に対しまして予算に関しまして質問させていただきます。光栄と同時に物すごく震えております。緊張のど真ん中でありまして、県知事におかれましては、市民、県民の声として私の発言を受けとめていただきましたら幸いでございます。
 私は今回、産廃行政に関する知事の姿勢についてお尋ねをするものでございます。私は福岡県の産業廃棄物行政に関して、その中でも特に今回は平成十一年十月六日、筑紫野市にあります産廃処分場にて、我が国で初めての死亡事故を起こしました問題に関しまして集中して本特別委員会にて審査をさせていただいたところでございます。
 議場におきましても、県知事の産廃と水道水源に関して、今回の事故を踏まえ、ダム上流域におきます産廃処分場の設置についてどのような御認識をお持ちでございますでしょうかとお尋ねをいたしたところでございます。知事は、構造基準などのその要件を満たしたものであれば立地を規制することは困難でありますとの、地元の皆さん方に対して本当に大変残念な御回答をいただいたところでございます。本件に関しまして、麻生知事に対しもう一度再確認をさせていただきたいと思います。
 筑紫野市にある、三名の死亡事故を起こしましたダム上流域におきます産廃処分場の新たな設置について、どのような御認識なり御見解をお持ちでございますでしょうか。また、本回答に関しましては、ダムの水道水、水質責任者のその立場を含めましても御回答を賜りたいと存じます。

高岡新委員長
麻生知事。

麻生 渡知事
本会議におきまして全く同じ質問を受けました。したがいまして、全く同じように答えざるを得ないということであります。産廃場の設置につきましては、この前もお話ししましたように、産廃処分についての法律がありまして、それに基づきましていろんな条件が定められております。許可をするに当たっての要件が必要であります。その要件にもちろん合うかどうかという設置の基準とか、いろんな点をチェックしてやっていくわけであります。その場合に、上流に水源が、この場合には下流ですか、ダムの上流域であるというそのことだけをもって処分場の許可を与えないということは、法の今の許可条件上難しいということであります。

原竹岩海委員
私は、こういった認識から知事の福岡県知事としてのお考えなのか、個人的なお考えなのかちょっとわかりませんけれども、問題の地域は平等寺という地名のところでございまして、そこを参考までに申し上げますと、それはせざるを得ないんだという回答でございますが、一方、地元の自治体は市民の生活の水質を守らなければいけないということで必死に防衛をやっております。平等寺には産興と旧村川組、それから名島産業、そして興和建設等、四カ所工事がございました。その中の二カ所は本市が市税を投入し、いろんな条件を交わしまして、そして公金を投入し、水道水源の保護をしなければならないということで買収をやったわけでございます。一方の県知事の方は、要件がかなっておれば了解をせざるを得ないのではないかということです。本会議場でも訴えましたけれども、地元の自治体と県行政に政策の一貫性がない、こう言わざるを得ないわけでありまして、知事も御存じだと思いますけれども、平等寺の当該処分場に関するいろんな陳情書で主な内容は、市民の健康や生活保全上の必要な措置を講じられますよう強く要望するものであります。人が生活をする上におきましては、本当にこれは基本的な要望が筑紫野市長名、太宰府市長、小郡市長、山神水道企業長、こういった連盟で、自分が調べただけですけれども、最初に出されましたのは事故の前からですね。平成九年十月一日付です。事故の発生は平成十一年十月六日です。地元の自治体を中心とし、危ない、こういったことが幾度なく、福岡県行政の方には毎年毎年出ております。こういったことを踏まえましても、少なくとも違法性がなかったら今後ともこの平等寺のダム、福岡県営の山神ダムの上流域には、要件さえかなって、しっかりかなっておればオーケーを出すんだと、そういった御認識でしょうか。

麻生 渡知事
産廃行政を進めていくに当たって、我々は何を基本的な準拠としてやっていくのかという非常に基本的な問題なんですね。法律に準拠するということではだめではないかというのは、それは大いにそういう考え方はあり得るかもわかりませんけれども、しかし我々は、一体この法律に準拠するというその準拠するという原点をいろんなことに変えていった場合に、我々の社会とか、あるいは行政とか成り立つのかということになりますと、それはやはり成り立っていかないんですね。法治というのがあるんですよ。今言われたように、確かに産廃場があると、水質が心配だと、そういうことがありますからこそ水質基準を持ち、そして水質を調べながらやっているというような、対策を講じながらやっているわけですね。それについてさらに、そもそもあれをやめさせてしまえといいましても、それはやっぱり一定のルールがあるわけなんですね。そのルールにのっとった行政をしなければ行政は成り立たなくなるんです。

原竹岩海委員
知事、今回は当該処分場のことに関しては伺っておりません。平等寺のこれ以上の新たな産廃処分場の設置についてどういった御認識でしょうかと。もしも平等寺にこれ以上、あの地域に新しい大きな産廃場の設置のそういった動きとか計画があったときには、知事はどうされるんですかと、そういう認識はありますかと伺っているんです。

麻生 渡知事
どういう計画があるのか承知しておりませんけれども、そもそも行政の立場としてはそれぞれの事案が出てきた場合には、それはよく実態を見て判断をしていくということになってまいります。

原竹岩海委員
知事は、回答は慎重な方で本当にすばらしい方だなと思いますが、市民、県民の立場から少しは生活者として御認識をいただきたいと思いますが、自分も産廃の、本会議場でも申し上げました、産廃処分場設置に関して、人間が産廃を出していますから、我々の問題です。必要だと思います。設置はどこかにしなければならない。今回は一点だけに集中をして質問をいたしております。生活用水の上流域、具体的には山神ダムのすぐ真上のところ、市営のダムもございますが、そこで新たなこういった産廃場の動きとかございましたときに、県知事は仕方がないと、要件を満たしておれば仕方がないと。四番目、五番目、六番目、七番目という設置がなされても仕方がないと、そういった御認識なんでしょうかと伺っております。

麻生 渡知事
そういう非常に一般化された、かつ、何というんでしょうか、あえて生活者に反対しておるようなイメージの質問を設定して答えろというのは極めて酷な質問でありまして、やっぱり具体的な問題として我々は処理していくというのが立場であります。

原竹岩海委員
私は、これは見解の相違だと思いますけれども、一般論じゃなくて、具体的に福岡県のそれも筑紫野市、それも県営山神ダムという具体的な事例でもって質問をしているつもりなんですが、それには背景がございまして、市民は水道水の水質に関しまして不安が増幅をいたしておると、そういったことを踏まえまして質問をしておるわけでございます。これ以上県知事としましても、見解の相違がございますので、私はこの問題をテーマとしまして今後とも訴えてまいりたいと思いますが、一つは、自分の意見を若干言いますけれども、今回のこの知事の回答を地元の市民はもとより、市議会や市は注目をいたしておるわけでございます。そしてまた、本市は本議会から議員の定数が二倍になりました。二人になりました。少しはいい方向でいくんではなかろうかなという、非常に進捗するんじゃないかなという期待がございます。これが進捗をするのかしないのか少しわかりませんけれども、もう一度再確認をさせていただきますけれども、平等寺の山神ダムの周辺の山間地域の中で、新たに産廃処分場の設置の動きがありまして、それが要件を満たしておるということになったら仕方がないのか。それが一点と、安定型産廃処分場は現実的に法律の要件を、現在ですよ、満たしておるのかと。安定五品目だけを埋めるという安定型産廃処分場の現実性についてどのような御認識をお持ちでございますか。

麻生 渡知事
前段の問題については、先ほど二回にわたってお答えしたとおりであります。後段の問題は、安定五品目を収容するということのために安定型処分場はできておりまして、その五品目を処理するという場であるというふうに考えております。

原竹岩海委員
本件に関しましては、機会あるごとに意見と質問をさせていただきたいと思います。終わります。