平成16年 地方分権推進対策調査特別委員会 (2004.05.24)

道州制問題

◯田代行政経営企画課長 
総務部の委員会資料の一ページ目をお願いいたします。
 九州地方知事会に「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」が設置されまして、仮に九州が道州制に移行した場合の課題等についての調査研究の取り組みがされておりますので、研究会の概要とその取り組み状況につきまして御報告するものでございます。
 まず、この研究会の設置の趣旨でございますけれども、平成十五年十月の九州地方知事会議におきまして国での道州制等の検討が本格化してきたことから、九州が道州制に移行した場合を想定した具体的な論点整理を行うこと、そのための研究体制を強化することが合意されたところでございます。その合意に基づきまして、各県の総務部政策担当部の部局長を構成メンバーとする「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」が今年の二月六日に設置されたところでございます。
 「2」の「構成メンバー等」でございますけれども、構成メンバーは、今申しましたように、各県の総務部政策担当部の部局長でございます。また、専門的なアドバイスをしていただくための学者といたしまして、関西学院大学の林宣嗣教授、この方は国の地方制度調査会の委員をされておりますし、また、税財政制度の専門家でございます。林教授に次回研究会から参加していただくこととなっております。林教授のほかにも、研究テーマに応じまして、必要に応じて他の学識者からもアドバイスを求めていくこととされているところでございます。
 研究会が発足しました二月六日に開催されました第一回目の会合の概要について説明させていただきます。
 まず、会長に本県の総務部長を選出した後、研究会の目標や検討テーマ等につきまして意見交換が行われまして、目標スケジュールといたしまして、十六年度中に論点整理を行うということ、十七年春の九州知事会に報告するということ、また、必要に応じまして国の地方制度調査会、下の参考のところに掲げておりますけれども、第二十八次地方制度調査会が今年の三月に発足しておりまして、この中で道州制と、そこに掲げておりますような審議事項について審議をすることとなっておるところでございます。この地方制度調査会に対しまして、九州の具体的な事例を踏まえた提言ができるようにすることとされたところでございます。
 それから、研究会での検討すべきテーマといたしまして、資料に掲げておりますように、「九州の現状」「今後の都道府県のあり方」「県合併・県連合・道州制・連邦制の比較」「仮に九州が道州制に移行した場合の課題」の四つを柱に検討することと決定したところでございます。六月下旬に次回研究会が予定されているというふうに聞いております。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


~略~

◯原竹岩海委員 
吉村先生の関連になると思いますけど、今度の知事会の方であり方を考えるということですが、これからいろいろと検討をいたしてまいりますということでございますが、私が感じたところでは、井上先生が資料要求されておりました一ページの方にも結論らしきものが書いてあるわけですけれど、道州制のデメリット、三番目でございますが、「現在でも地域間の経済、財政力に格差が存在するが、道州制移行に伴って税源移譲が進められ財政の自立度が高まれば、格差は一層拡大し、例えば九州は八県を区域とする道州を考えた場合、その経済や財政がたちゆかなくなる」と、はっきり結論を書いておられます。こういった方向で報告書がまとめられるかどうか。財政的にはこれはしっかり結論を書いておられますので、どうかとか書けばいいんですけれども、ゆかなくなるという、こういったところでそういった面も含めてということでございますが、もう十分、日本のこういったすばらしい行政体制ですから、三回ぐらい議論すれば、それぞれの県の課題とか、もうしっかりまとめておられますから、これをもうちょっと議論するだけだろうと思いますけど、結論は、最終的にはこのようになるんではないかというふうに想定はできるわけでございますか。その辺のところを伺いたいと思います。

◯三田村統之委員長 
室田総務部次長。

◯室田総務部次長
ここでデメリットで掲げております、「たちゆかなくなる」と書いてございますが、その後で、課題としまして、要するに、たちゆかなくなるので、財源調整制度が必要であろうと。仮に道州制というものを導入する場合には財源調整制度をやはり入れてもらわないと、まさに「たちゆかなくなる」という問題がございますので、そういった意味では、これからどういった財源調整制度がいいのか、どういう財政制度がいいのかを含めて、そういった具体的な論点につきまして今後詰めていきたいというふうに、そういう意味では裸で、財政調整制度をなくして道州制を入れて税源移譲をした場合には、ここに書いたようなデメリットになってくるわけでございますけれども、そういった、現実に制度設計していく場合にはどうしてもそういった財源調整制度を入れてほしいと、こういう制度を入れてほしいということを、これをまさに九州から国に対しても言っていかなきゃならない部分だと思われますので、そういった論点について今後詰めていく必要があるというふうに考えております。

◯原竹岩海委員
県知事会の方の広域的課題の中には、当然区域を超えるわけでございまして、本市を例に上げましたら、筑紫野市でございますけれども、住民の意識調査の中では県に隣接をする佐賀県の基山町が筑紫野市と合併をやりたいという希望のアンケートが掲載されたところであります。報道機関で見ましたけれども。そういったところも含めての広域の市町村の合併も、当然テーマに掲げていますよということを想定をしてもいいんでしょうか。

◯室田総務部次長
確かに県境ではいろんな調整の問題が出てまいりますので、当然そういった広域的課題を解決するために、今の県域でいいのかどうかということが一つの道州制の議論の出発点でございますので、(「議論されるということですね」と呼ぶ者がある)そういった意味では、道州制の機能として論点の一つになろうかというふうに考えております。