平成18年 9月定例会 (2006.10.03)

 産廃問題

◯九番(原竹 岩海君)
おはようございます。緑友会・新風県議団の原竹岩海であります。事前通告に従いまして質問に入ります。産廃問題を先に質問させていただきたいと存じます。
 初めに、県の産業廃棄物行政についてお伺いします。私は、議員就任の当初から議場や委員会などで県営山神ダム上流域にあります複数の産業廃棄物処分場に関する諸問題について、抜本的な解決をされるよう幾度となく訴えておりますことは周知のところであります。今議会は幸いにも、本件に関する質問が集中的になされ、知事から一定の回答がなされたところであり、重複を避けましてお伺いをしたいと存じます。
 まず、産業廃棄物問題について適正処理の推進に向けた排出事業者に対する取り組みについてお伺いします。周知のとおり、本県では私の地元であります筑紫野市の産廃処分場が大きな問題となっておりますが、全国的に有名な事例といたしましては、青森と岩手の県境において膨大な量の産廃不法投棄問題がございます。この不法投棄問題の発生を契機といたしまして、岩手県が産廃の排出事業者一万二千社を対象として調査がなされ、排出事業者が処理業者の事業レベル、事業内容等について十分に確認をすることなく廃棄物処理の契約をしているという実態が多く報告をされたと伺っております。廃棄物処理法では、排出事業者責任が明確になっておりますが、青森や岩手県のように、実態はすべてを処理業者に任せ、安易に料金が安い業者と契約をすることが多く、このようなことが、結果的に産廃問題を引き起こす一因となっているのではないかと考えております。排出事業者は、みずからの責任として、排出をした産業廃棄物を適正に処理をしなければならない、また委託をした場合は最終処分まで適正に処分が完了したことを確認しなければならないことが法律で義務づけられておりますが、これをいかにして徹底するかということが極めて大事であると考えるところであります。そこで、知事にお伺いします。
 県として、排出事業者に対し、どのように排出事業者の責任について周知を図っておられるのか、また今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。

 次に、産廃処理業者の評価制度についてお伺いします。昨年三月に、廃棄物処理法施行規則が一部改正され、産廃処理業者の優良性の判断に係る評価制度が創設され、これを受けまして、幾つかの県で順次制度の導入が進められていると伺っております。この制度は、規則に定める評価基準を満たす処理業者を公表することにより、排出事業者が、委託業者を選定するときに判断できる情報を提供するものでありまして、適正処理の推進に有効なものと考えますが、本県における実施に向けたその取り組み状況について環境部長にお伺いします。

 道路行政

次に、道路行政についてお伺いします。私は、本議場におきまして冷水有料道路問題を訴えてまいりました。山家地区の国道二百号に関する地元住民の安全、安心対策を目的として、冷水有料道路が設置されたにもかかわらず、通行量の低迷等により今日まで依然として現道二百号の道路環境の改善は進捗をしていないのが現状であります。これらのことから、県は通行料金の改定や昨年から地元の自治体と現道対策協議会を設置され、山家地区の交通安全対策などに御尽力をいただいておりますことに一定の評価をするものであります。ありがとうございます。
 しかし、本件に関して、地元住民からは早く二百号から少しでも大型車両の通行が減少し、静かで安全な生活道路に戻してほしいとの切実な要望や、ドライバーの皆さんからは、私たちは好きで現道の狭い道路を利用しているわけではない、冷水道路の料金がもっと安ければ、今より積極的に冷水道路を利用しますよと話をされているのであります。
 そこで知事にお伺いします。現道二百号山家地区の安全対策の進捗状況と、今後の計画についてお示しいただきたいと存じます。また、冷水有料道路に多くの車両を通すための抜本的施策等問題解決に向けた
麻生知事の決意をお伺いします。

教育問題

次に、教育問題についてお伺いします。先般、全国の公立小中学校の教員で平成十七年度五百六人が都道府県等の教育委員会から指導力不足と認定され、百十一人が教壇を去ったことが文部科学省の調査で判明したと報道されたところであります。この指導力不足の認定に関する国の基準はなく、各都道府県、政令市の教育委員会が独自に実施をするもので、病気は対象外で、まず校長が判定基準に基づき教員を評価し、それぞれの教委に報告、それを受け教委が調査するといたしておりますが、本県の教育委員会におきます主な判定基準についてお示しください。
 また、本県には二つの政令市がございますが、判定基準に大きな相違点はあるのでしょうかお伺いします。もしあるとすれば、人を判断する以上、判断基準の公平性、公正性が要求され、一定の調整が必要になると思われますが、教育長のお考えをお伺いします。
 次に、県内で指導力不足とされた教員は政令市を含めまして実に四十九人にも上り、二番目の神奈川県の三十八人、三番目の千葉県の二十九人を大きく上回っており、教育現場におきまして被害者がいるとすれば、それは児童や生徒たちであります。これは重大な問題であります。本件に関しましては、議会や委員会等において指導力改善等が現状に即したものとなるよう多くの意見がなされているところであります。これほど多くの教員が指導力不足となっている主な原因や要因と、抜本的な改善策について御回答ください。
 また、報道では四十歳から五十歳代のいわゆるベテランの教員が八〇%を占めており、一般的には社会的にも経験豊富で人生で最高のときではないかと思われますが、主な理由についてお答えください。
 以上、明快なる御回答をお願い申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

◯知事(麻生 渡君)  
 まず、産業廃棄物の取り組みの問題についてであります。この産業廃棄物の適正処理のためには、廃棄物を排出する事業者が一定の責務を果たさなければうまくいかないわけでございます。こういうことでございますから、排出事業者としての責任の徹底が重要であるというふうに考え、県の方では、まず法規制がどういうふうになっているのかということにつきましての各業界団体、これを通じまして周知を図っております。同時に、事業者がいろんな形で主催をしまして、この点の認識あるいは実行についての研修会を行っております。これにつきましても県の方から職員を派遣しまして、必要な説明を行い、この責務の徹底を求めている状況でございます。また、県主催で行っております排出事業者に対します講習会におきましては、産業廃棄物の管理表、いわゆるマニフェストでありますが、それの運用、そしてまた委託契約書の締結、このようなことにつきまして排出事業者としての責務、これが明示されておるわけでありますから、それをしっかり履行、実施するようにという周知徹底を図ってまいります。
 次に、冷水有料道路の問題についてでございます。一つは、山家地区の交通安全対策の進捗状況でございますけれども、これは昨年度防護さくの整備に着手をいたしまして、本年はあわせまして道路照明を行ってまいります。また、さらにカラー舗装も整備をしてまいる考えでございます。
 この山家地域から有料道路の方へ車の通行を移行させるということでございます。このためには料金の問題が大きいという御指摘でございますが、これを考えまして、異なる料金を設定をしまして三回の試行を行ってまいりました。その効果を考えながら、今後とも料金問題を含めまして総合的な対策の検討を進めまして、実施をしていく考えでございます。

◯環境部長(角 敬之君)
 産廃業者に係ります評価制度への取り組み状況についてお答えいたします。この制度を導入するに当たりましては、県内で統一的に運用することが望ましいことから、産業廃棄物処理法の許可権限を有します
北九州市福岡市大牟田市と協議をしてまいりました。このたび、協議を終えましたので三市と足並みをそろえ、十月一日から本制度の運用を開始したところです。今後とも関係団体と連携し、制度の普及促進に努めてまいります。

◯教育長(森山 良一君)
 まず、指導力不足教員の判定基準についてでございます。本県におきましては、適切な学習指導、学級経営、生徒指導ができずに、あるいは児童生徒や保護者との人間関係が築けない、教育活動に支障を来しておる教員を指導力不足教員として判定をいたしておるところでございまして、両政令市につきましてもほぼ同様の判定基準であると聞いております。この判定手続といたしましては、校長が本人、同僚、保護者等から意見を聴取いたしまして、教育事務所等の判定会議に報告をし、そこにおいて校長会や教育長会の代表者から意見等も聴取した上で、本庁の判定会議において最終判定をいたしております。
 次に、指導力不足教員となる原因についてでございます。これは、教員個人の資質、能力、それから社会の変化、人間関係などの職場環境、あるいは精神的な要因に起因するものがございまして、またこれらが複合的に作用するということも多いと考えております。なお、その多くがベテラン教員に見られますのは、児童生徒、保護者や地域住民のニーズの多様化など、社会の急激な変化に対応できないということがその要因であると考えております。
 最後に、指導力不足教員への対応策についてでございます。指導力改善事業によりまして、学校や教育センターで個々の課題に応じた研修プログラムを策定をいたしまして、管理職や力量を備えた指導教員のもとで資質向上に向けた取り組みを実施いたしておるところでございます。今後は、やはり職場で育て、立ち直らせるという環境をさらに醸成するなどの支援体制を充実をさせますとともに、改善の見込みのない教員につきましては転職や分限免職を含む人事上の措置を講じてまいりたいと考えております。

◯九番(原竹 岩海君)
 質問ではございませんで、意見と要望をちょっと発言をさせていただきたいと思います。
 まず、山神ダム上流にあります複数の産業廃棄物処分場の問題でございますけれども、本件に関しましては、県に対しまして、関係する自治体や地元の市議会などから幾度となく環境保全や抜本的問題解決へ向けた陳情や要請行動が実施をされておるところであります。よって、本県の産廃処分場の問題に関する権限を有する麻生知事におかれましては、住民が安心して生活ができますよう迅速なる対応をされますよう強く要望するものであります。
 次に、冷水有料道路の料金改定問題でございます。本年度三回の料金引き下げが実施されました。試行とはいえ、地元の皆さんからは現道の交通量が激変し、本当に静かになったと大好評でございました。これを踏まえまして、平成十八年十二月議会から平成十八年度中までに本有料道路の料金改定などに関する改善策を示されますことを強く要望するものであります。
 最後に、教育問題でございますけれども、少なくとも私が知っております先生方は、皆さん教育現場で一生懸命頑張っていただいておりまして、すばらしい先生ばかりです。しかし、こういう一部の問題教員によりまして教育の現場に不信感を与えることはまことに残念なことであります。教育長におかれましては、指導力不足教員の問題解決へ向け、県教委と教育現場が一丸となって御尽力をいただきますことを要望しまして質問を終わります。
 ありがとうございました。