平成21年 総務企画地域振興委員会 (2009.8.4)

平成21年7月 中国・九州北部豪雨


◯井上順吾委員長
 次に、「平成二十一年七月中国・九州北部豪雨の被害状況等について」を議題といたします。
 執行部の説明を求めます。中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長
 まず、きょうの委員会の資料の配付がおくれましたことをおわび申し上げます。
 きょうは、委員会の資料のほかに、参考として別に三種類の資料をお配りしております。平成二十一年七月中国・九州北部豪雨被災写真、緊急要望書が一部、それから被災者支援関連制度、いずれもA4縦長のとじ物でございます。この三部を別途用意しておりますので、御確認いただきたいと思います。
 それでは、所管事務調査総務部の十二ページからで御説明いたします。平成二十一年七月中国・九州北部豪雨の被害状況等について。
 まず、この平成二十一年七月中国・九州北部豪雨の名称でございますが、これにつきましては七月十九日から二十六日まで、当初は山口県の防府市を中心に雨が降りました。七月十九日から二十六日までの豪雨を七月二十七日に気象庁が命名しております。その間の豪雨を平成二十一年七月中国・九州北部豪雨というふうに名前が定まっております。
 まず、降雨の状況でございます。そこに書いていますとおり、時間雨量で百ミリを超すような各観測地点で気象庁の観測史上最大の雨量を記録しています。(一)に書いていますとおり、速報値でございますが、今回の雨での最大降雨量、一時間雨量でありますれば福岡市の博多区、これは百十六ミリ、二十四時間雨量でありますれば飯塚市で三百三十八ミリ、それから七十二時間雨量でありますれば太宰府市で六百十八ミリと、いずれも各地で観測史上の一位を記録したところでございます。
 下段のほうに主な地域の降雨量ということで書いておりますが、県内広くこの三日間で雨があって、大量の雨が降ったという状況でございます。
 参考として十二ページの下段に書いておりますが、福岡県の年間降水量が千六百三十二・三ミリ、それから梅雨時期の六月、七月、この二カ月間の降雨量が平均五百三十八・五ミリでございますので、この三日間で二カ月間分の雨が降った、あるいはこの三日間で年間降水量の三分の一の雨が降ったという非常に集中的な雨でございました。これが降雨の状況でございます。
 次の十三ページをお願いいたします。この降雨を受けました本県の主な動きでございます。二のこれまでの主な動きでございますが、七月二十四日、十七時〇九分に災害警戒本部、これは総務部長が本部長でございます、これを設置いたしました。これは十七時〇九分に福岡地方と北九州・遠賀地区に大雨洪水警報が発令されましたので、自動的に災害警戒本部を立ち上げております。その後、雨足が全県的に強くなりまして、十九時二十六分、福岡県全県に大雨洪水警報が発令されましたので、二十一時をもちまして、これから雨の被害が予想されますので、知事を本部長とします災害対策本部を設置したところでございます。そして、二十四日の二十二時三十分に第一回災害対策本部会議を開催いたしまして、雨の状況などの報告を行ったところでございます。ちなみに、災害対策本部、これは現在でもずっと引き続き設置されておるところでございます。それから、二十五、二十六日の二日間を除きまして二十七日の月曜日でございますが、第二回の災害対策本部会議を開催いたしまして、雨の状況並びに被害の状況を報告したところでございます。また、二十七日には林防災担当大臣をトップとする政府調査団が災害の現場を視察されております。それから、翌々日の七月二十九日、麻生内閣総理大臣が災害現場を視察されておりまして、このときには県のほうから被災者生活再建支援などの緊急要望を行ったところでございます。そして、昨日でありますが、八月三日十五時から第三回の災害対策本部会議を開催いたしまして、最新の被害の状況、それから今後の応急対策、今後の対応を議論したところでございます。
 三の被害の状況でございます。県内広く雨が降りましたので、九名のたっとい命が失われましたのを初め、県下全体にわたりまして、住宅であれば四千棟を超す住宅、それから道路、河川などの土木施設あるいは農地、農業用施設、林地、林道施設など、極めて広範囲に甚大な被害が発生しております。その被害件数、ここに書いておりますが、これは昨日の十三時現在の数値でございます。人的被害につきましては、死者が九名、行方不明者一名。行方不明者一名は、御承知のとおり、篠栗町での、土砂でつぶされた家のお母様の方でございます。あるいは重傷三名、軽傷十三名。それから、家屋被害につきましては、全壊が八棟、半壊三棟、一部損壊が七十二棟、それから床上浸水が千二百七十二棟、床下浸水が三千五百十九棟と、これも二十四市二十六町という県内広くにわたって被害が出ているところでございます。道路被害につきましては、損壊が四百三十五件、埋没が百三十一件、冠水が千二百五十八件、橋梁の被害が五件ということで、これも二十七市二十九町に広がっているところでございます。河川被害につきましては、溢水が八十六件、決壊が二件、施設・設備損壊が百八十件、下水の溝があふれたとか、そういう内水はんらんが三十五件という被害状況でございます。土砂災害に至りましては、がけ崩れが千二十六件、地すべりが九件、これも二十二市二十三町三村というふうに県内広くにわたっているところでございます。農業被害、作物が二千九百八十一・四ヘクタール、畜産・農業用施設が五百六十八件、これも二十市二十三町三村に広がっております。森林・林業被害でありますれば、林地で百三十二件、林道で百一件。それから、水産業被害が六件という状況でございます。
 お手元にお配りしました被災写真をごらんいただきたいんですけれども、平成二十一年七月中国・九州北部豪雨、これは市町村なり、県の県土整備部あるいは消防ヘリコプター、上空のものですね、そこから写しました主な被害状況の現場でございます。行方不明者の捜索現場も含めて、今回の災害の直後の姿を写しておりますので、数字だけじゃなくて、実際の絵で見た場合も、今回、ひどい災害が県内各地で発生していたということをお伝えしたいと思っております。
 その被災写真の次に、緊急要望書ということで三枚のとじ物を置いております。縦長の要望書です。これは先ほど説明しました七月二十九日、内閣総理大臣が視察にお見えになったときに、表紙をめくればありますとおり、県知事と県議会議長のほうから内閣総理大臣あてに、災害対策について要望した要望文でございます。最後のページにありますとおり、五点にわたって緊急要望しております。一点目が、被災者生活再建支援について、二点目が、激甚災害の早期適用について、三点目が、公共土木施設等の災害復旧事業及び災害復旧関係事業の早期採択について、四点目として、農作物被害に対する支援について、五点目として、地方交付税等による財源支援の実施についてという、緊急な対応をお願いしたい項目をじかに内閣総理大臣に伝えたところでございます。
 またお手元の委員会資料にお戻りいただきます。十四ページでございます。(二)被害額(速報)ということでここに挙げております。河川・砂防施設被害二十四億円程度、道路施設被害二十三億円、農業被害二十億円、森林・林業関係被害で十六億円程度、商工被害で九億円程度、教育施設、文化財等被害で五億円程度、その他で六億円程度、合計百三億円程度で、これは県分のみならず市町村分なども含んだ数値でございます。それから、こういう災害、一週間たちましたけれども、今回特にひどかったものですから、まだ市町村とかについては調査中あるいは未定という箇所がたくさんございますので、あくまでもこの数字は今後ますますふえることは想定されます。そういう意味の数字でございますので、きちっと積み上げた金額ではございません。うちのほうも各部署、各部を通しまして、市町村分を含めましてばたばた照会したような数値でございますので、調査中、未定という回答も多くございました。そういう意味を含んだ上の数字で百三億円程度というのがきのうの九時現在の最新の被害額の数値としてそこに挙げております。
 このような被害に対します各部のこれまでの対応状況を書いております。これはあくまでも応急対応ということで、各部がどういう応急対応を行ったかということでございます。
 総務部につきましては、税のほうですけれども、被災者に対する県税の軽減措置、あと県税事務所での納税相談を実施しているところでございます。
 それから、企画・地域振興部にありましては、災害救助法の適用を受けました飯塚市に対し、普通交付税の繰り上げ交付が行われるよう総務大臣に申請いたしまして、聞くところによりますと、九月の交付分が繰り上げて間もなく交付される予定だというふうに聞いております。
 新社会推進部につきましては、所管いたしております九州国立博物館に土砂が流れたような事実がございましたので、その土砂の撤去などの応急措置を実施したところでございます。
 それから、保健医療介護部でございますが、高齢者福祉施設や医療施設などの被害状況の調査を鋭意行っているところでございます。それから、被災者の国民健康保険料などの減免制度・徴収猶予の制度がございますので、市町村にその周知方の徹底を通知しているところでございます。また、冠水の被害を受けた民家に対しまして市町村が消毒を行った場合、これは国と県でその金額の三分の一ずつを負担する制度がありますので、そういう市町村が消毒を行った場合の費用の調査を今、鋭意行っているところでございます。
 それから、福祉労働部につきましては、七月二十四日に飯塚市に災害救助法の適用をいたしております。適用されますと、被災者に対して現物の支給、食品の給与だとか、被服など生活必需品の給与・貸与、教科書や学用品の給与ができる等でございます。それから、災害弔慰金の支給等に関する法律がございまして、これは県下全域に適用されますが、今度の災害でお亡くなりになった方あるいはけがをされた方に災害弔慰金、災害障害見舞金の支給、あるいは貸し付けの制度で災害援護資金の制度がありますので、この貸し付けの制度の適用を始めたところでございます。それから、県下全域に、県の独自の制度として福岡県災害見舞金制度の適用も始めたところでございます。また、被災者生活再建支援制度、これは法律に基づくものでございますが、災害救助法が適用されました飯塚市にこの制度の適用が始まったところでございます。また、福祉労働部といたしましても、社会福祉施設などの被害状況の調査を実施しているところでございます。
 十五ページをお願いいたします。環境部です。これは災害廃棄物の発生状況を調査中でございます。これはある一定規模の市町村のほうで災害廃棄物の処理経費が発生しますと、その半分を国が負担するという制度がございますから、その調査を今行っているところでございます。それから、環境部が所管します九州自然歩道の被災状況を確認中でございます。
 それから、商工部でございますが、既存の支援制度を活用した中小企業の支援を行っております。制度融資の一般資金での貸し付け、債務の元利返還猶予あるいはその返済期間の延長、あるいは相談窓口を設置して対応しているところでございます。
 農林水産部につきましては、今回特に山なり、畑、水田、特に大豆畑など、被害が非常に広範に及んだところがありますので、そこを今、調査して、復旧対策を検討しているところでございます。それから、農林水産業者からの資金や事業や技術対策に関する相談に対応するために、豪雨災害対策相談窓口を記載の機関に設置いたしたところでございます。あわせて各種の支援制度や相談窓口の連絡先を市町村や農協へ配布あるいは県のホームページへ掲載いたしております。それから、被災農家等へ豪雨災害に応じた技術対策指導の実施もしております。ちょうど大豆をまき終わったころに豪雨が来て、まき直しをやるかどうかというふうな御相談とかも受けているように聞いているところでございます。それから、各農業共済組合に対しまして、速やかな損害評価と共済金の早期の支払いを指導しているという報告を受けております。
 それから、県土整備部でございます。道路・河川などの被害状況、これもまだ鋭意調査しているところでございます。それから、県管理道路の通行どめ、これは延べでいきますと百四十九カ所で片側、全面の通行どめが発生しておりまして、一部はまだ今でも通行どめの部分があります。二十六日の十八時に県内五十八カ所で片側あるいは全面通行どめというのが一番のピークだというふうに伺っております。あるいは応急措置として崩土の土砂の撤去、土のうやシートによる応急措置を実施したところでございます。
 建築都市部でございますが、所管の流域下水道、県営都市公園、県営住宅の被災状況を調査して、応急措置を実施しているところでございます。また、被災者の方の県営住宅の一時使用など特定入居についての希望を取りまとめ中でありまして、記載のとおり、六世帯の方が五つの県営住宅に入居を希望されて、うち三世帯が二つの県営住宅に入居済みということでございます。また、住宅被害の相談窓口を設置しているところでございます。
 教育庁につきましては、緊急奨学金制度並びに県立高校などの授業料減免制度の適用を行っているところでございます。
 十六ページをお願いいたします。これはこれから新たに創設する今回の豪雨に関します県の支援制度でございます。三項目ございます。
 まず、災害援護資金貸付金の利子補給に係る支援制度の創設でございます。災害援護資金の貸し付け、これは先ほど十四ページの福祉労働部の災害弔慰金の関係で一定のお金を借りられる制度でございますが、災害援護資金の貸し付けを行った被災住民に対して、市町村がその利子相当額、定例の利率は三%でございます。三%の利子がかかりますけれども、その全額あるいは一部を市町村が助成した場合に、その助成額の二分の一を県が市町村に補助するという制度でございます。対象者としては、災害援護資金を借り受けて、三年間の据置期間後に償還する者となっております。
 それから、二つ目の項目といたしまして、中小企業者への緊急特別融資等の実施でございます。まずは、そのうちの一つが緊急経済対策資金の特別枠の創設。これは概要といたしましては、中小企業者に対する金利の引き下げ及び保証料の免除でございます。対象者としては、被災した中小企業者、融資枠二十億円で、融資限度額は三千万円、融資利率が通常一・六%を〇・九%、保証料率、通常一・〇%程度を〇%、融資期間を据え置き二年以内で十年以内ということでございます。また、災害救助法適用市が創設する災害融資制度への助成を設けております。災害救助法適用市、これは現在のところ、飯塚市でございます。飯塚市が利子補給及び保証料の補てんをする場合には、その市の負担分の二分の一以内を助成するという制度でございます。
 三番目が農業関係でございまして、農業災害対策資金の特別利子補給でございます。これは今回の豪雨で災害を受けられた農業者が農協などから経営再建のための資金を借り受けた場合に行う利子補給でございます。対象者は、減収量三〇%以上かつ損失額三〇%以上の農業者ということでございまして、融資枠が三億円、限度額が五百万円、融資利率が通常〇・七五%から〇・九五%のところが〇・四五%から〇・五五%、融資期間が据え置き三年以内で七から十年以内、利子補給率は五〇%というところでございます。
 今御説明しました三つの制度は、新たに創設する制度でございます。そのほかの制度につきましては、最後にA4で被災者支援関連制度という縦長の十五ページの冊子をお手元にお配りしております。被災者支援関連制度、これは災害があるたびに、地震だとか台風のたびに、うちのほうで内容をリニューアルいたしまして、国、県、市町村以外にもいろんな支援制度がある、あるいは相談窓口があるということを取りまとめまして、これは既に県のホームページにアップしております。県のトップ画面のトピックスの一番上にアップして、市町村にも広く周知しております。この中にも県の既存の事業で適用できるものは入っております。県の事業にかかわらず、広く被災者のために役に立つような制度は目次を見ればずらっと書いてありますけれども、いろんな被災の態様に応じまして、こういう相談窓口あるいは支援制度がありますよということでまとめた資料がこの冊子でございます。これについては県のホームページにもアップしておりますので、皆様方もどうぞ御紹介方、よろしくお願いいたしたいと思います。
 私の説明は以上です。

◯井上順吾委員長
 説明は終わりました。
 これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。浜崎委員。

◯浜崎達也委員
 大変な被害の中で、また消防防災課もまさに不眠不休で当たられたと思います。本当にお疲れさまでございます。
 この中で、今、冒頭にございました国のほうに出されました要望書に関して、五点ございますけれども、これに対しての国の回答といいましょうか、その状況はどのようになっているか。

◯井上順吾委員長
 中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長
 この要望書の三枚目にありますとおり、一からこの五項目を要望しているところでございますが、まず二番の激甚災害の早期適用につきましては、これは取りまとめは内閣府のほうでございますが、内閣府が各省庁のほうにこの激甚災害の適用の状況を指示しておりまして、これは各省庁のほうから県の各関係部署のほうに、例えば経済産業省であれば、経済関係、商工関係の被害の状況とかいうふうな指示は来ているところでございます。これを国のほうで取りまとめて、適用に当たるかどうかの手続がなされるところでございまして、これについてはもう国のほうが作業に入っているところでございます。それから、五番目の地方交付税等による財源支援の実施、これにつきましても先ほど申しましたとおり、飯塚市につきましては、九月交付予定の普通交付税、これを八月中に繰り上げ交付がなされる予定だというふうには聞いております。済みません、そのほかの一、三、四につきましては、具体的な動きは私のほうとしてはまだ把握はしておりません。以上です。

◯浜崎達也委員
 ということは、一から四までは各省庁から出て、各部に行くと。県には直接というか、トータルでは来ずに、各部に各省庁から回答があるということですね。

◯中島消防防災課長
 この要望書は県全体としての要望事項をまとめましたので、項目は各部のほうから必要な要望事項をまとめてやっていますので、基本的には、この進みぐあいとかも各部と、例えば、農政であれば農政部と農政局、そこら辺で具体的に詰められることだと思っております。

◯浜崎達也委員
 最後に説明がございました新たに創設する被災者支援制度、これも各省庁になるのかな。中小企業者への緊急特別融資等の実施ということでありますが、この中身も商工で聞かないとわからんのかな。

◯中島消防防災課長
 基本的には、これは各所管担当課のほうから、こういう制度をということで挙げられておりますので、私のほうでは詳細な御回答というのはできないところでございます。

◯浜崎達也委員
 わかりました。あっちで聞きましょう。

◯井上順吾委員長
 真島委員。

◯真島省三委員
 最近、県内で大規模な災害の発生の頻度がふえていると思うんですけども、例えば、一九九九年の博多駅周辺が被害を受けた大豪雨、それと二〇〇三年の飯塚豪雨、二〇〇四年の西方沖地震、そして今回の豪雨災害。天災は忘れたころにやってくると言われるわけなんですけど、この十年間で四回非常に大きな災害が起きております。一九九九年の豪雨で御笠川がはんらんして、一名の方が亡くなられましたけれども、その後、大規模な河川工事も行われて、福岡市も地下の貯留装置、非常に大規模なものをつくられて、今回の歴史的な観測史上最大と言われる豪雨に際しても、見事にその効果が発揮されて災害が防止されたということで、また飯塚市の明星寺川でも二〇〇三年の災害で県の事業が行われて、今回、浸水の被害が防止されているということで、やはり災い転じてといいますか、備えあれば憂えなしということで、今回の大災害に際して、貴重な教訓を酌み取って、ぜひ今後、万全の災害防止策を講じていただきたいと思いますけれども、その点で、これまでのいろんな災害、この十年にありましたけれども、そういうものも振り返りまして、まだ災害の実際の全容をつかまれている途中で、なかなかそういう総括的なことは言えないでしょうけれども、どのように思われているかというのをお聞かせください。

◯井上順吾委員長
 中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長
 今、真島委員がおっしゃったように、七・一九の水害、あのときにひどい水害がありました福岡の博多駅周辺、都市部ですね、御笠川。それから嘉穂劇場がつかった飯塚市。当時の土木部を中心に、福岡市とかと一体になって、かなりの洪水にも耐えられる河川の拡幅掘りということでやった。一つは、そのおかげで今回、博多区で一時間当たり百十何ミリ降った割には、そこでは土のうも積まなくてよかったというような店員さんの発言も新聞に出ていましたけれども、これは災害の教訓から学ぶじゃないですけれども、災害に応じた事後的な対応の成果だと思っています。今回の災害でございますが、まず一つは、まだ全容がこちらでもつかみ切れておりません。すべての被害の姿があらわになったわけではありません。ただ、今考えられるところでは、河川での洪水なり、被害の状況なりでわかりますとおり、いろんな分野で、河川だけじゃなくて、特にがけ崩れ、土砂のほうですね、斜面について土砂が落ちてきて道路が埋まった、あるいは今の行方不明の方もやはり地すべりに遭っている。それから家屋も県内で四千件を超える床上、床下浸水が起きている。これは河川の排水能力といいますか、それなのか、それとももともと水につかりやすい地形だったのか、あるいは別の要因なのかと、またそれもいろんな原因があると思います。それから、農業被害も、今は被害額の把握で精いっぱいなんですけれども、これは各部局のほうになってくると思うんですが、今回の災害に応じて、どのような対策を講じていくのかというのは基本的にはおのおののセクションでの専門的な分析等が必要になりますので、そこを総合的にやるために、対策本部もまだ集まっていますけれども、そういうもので議論しながら、県としての復旧対策を進めていく話じゃないかなというふうに思っております。

◯真島省三委員
 これから被害の全容調査と分析がやられていくんでしょうけども、ハード面での災害防止策というのは、財政的な問題もあると思うんですけど、先ほど中間速報の被害額が出ていますけど、実際はこれよりかなり膨らんでいくんじゃないかと思うんですけど、実際に被害が起きたときの被害額と比べれば、やはり災害防止策のハード面できちんと手を打っておくということのほうが費用対効果ではるかに大きいというふうにはっきりしていると思うんです。そういう点で、ぜひ今回の大雨による被害が集中した福岡県として、県民の皆さんも災害に強い福岡県づくりにこれから取り組んでいただくことを切望されていると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいなというふうに思っています。
 それと、最後に要望させていただきますけども、私たちの党のほうでも、市町村議員や国会議員と一緒に被災地に出向いて、いろんな住民の皆さんの御意見も伺ってきました。そこで非常に痛感したのは、いろんな応急措置が要望されているわけなんですけど、もちろん国にも要望を出されていますけど、国の指定を待つことなく、いろいろ緊急に手を打たなきゃいけないことが非常にあるということを幾つか痛感しております。それで、五つだけ要望させていただきたいんです。
 一つは、消毒対策の問題で、篠栗町で町のほうがどうしてもやっぱり死亡災害が起きている場所に町の機能を集中させたために、床上、床下で二百件以上の被害が起きているんですけど、そこへの消毒対策が非常におくれているというか、手がついていないということをお聞きしました。こういう甚大な被害が出ている市町村に対して、県の保健所のほうからもっと積極的に連携の手を差し伸べていただきたいなというふうに思います。それと、地域防災計画の中では、県が調整して、周辺市町村の応援も得ることができるというふうになっていますので、その辺、市町村の状況を聞いていただいて、早急に対応していただきたいということです。
 二つ目が、大量の土砂や瓦れき、流木が家屋とか田畑に流れ込んでいまして、これを個人任せじゃ、大きな石とか大きな木が流れ込んでいるので、撤去できずに途方に暮れておられるんですよね。これを市町村の責任で一刻も早く撤去していただくように、県としても助言もしていただきたいし、必要な財政支援もお願いしたいと思っています。小倉南区の道原、春吉地域では、大量の土砂が流入して家屋や敷地、水路、田畑に流入していると。そして、篠栗町でも同じような話をお聞きしています。
 三つ目が、全壊状態で従来の住居に住めない世帯の方に早急な援助を差し伸べていただきたいということです。篠栗町で床上浸水したお宅で、全壊状態でも住む当てがないということで、今も家族で避難所暮らしをされている方がいらっしゃるということをお聞きしました。
 それと四つ目が、河川で、また大雨があれば溢水だとか浸水が心配される箇所がたくさん県内で生じていると思うんですけれども、そういうところに土のう対策、それと応急の修復なりを県と市町村が早急に行っていただいて、これから台風シーズンが間もなく到来しますので、堤防のかさ上げ工事だとか、土のうの設置、たくさんの要望が私のところにも寄せられているんです。これをぜひ早急に対応していただきたいと。
 最後に、県と市町村で早急な対応を機を逸せずに行うために、財源として今回、政府の景気対策の予算などもありますので、今、経済危機のもとで、ただでさえ疲弊している地域にこの大雨被害で、本当に追い打ちをかけられているような状態で、ここで急いで支援しなければ、地域の皆さんの生活が本当に立ち行かなくなるというふうな状況に陥っている状況があります。ですから、ハード面での応急措置などをやっていったら、地域の仕事づくり、仕事起こしにもつながりますし、もちろん防災にもなるわけで、一石何鳥の効果も出るので、まさに景気対策の予算を活用するにふさわしい内容じゃないかなと思いますので、その辺、ぜひ現場の様子をつかんでいただいて、積極的に対応していただきたいということを御要望しておきます。
 長くなりまして済みません。

◯井上順吾委員長
 ただいまのは要望にとどめて、よろしくお願いいたします。
 後藤委員。

◯後藤元秀委員
 本当に災害復旧、大変でございました。いろいろ御苦労さまでしたし、被災された皆さんには早く立ち直っていただきたいと思います。
 今、真島委員からもお話がありましたが、七・一九、御笠川がはんらんして、復旧した河川整備がうまくいったというお話がありました。確かにそのとおりだろうと思います。ただ、この大災害の前に、私たちのところは渇水で、渇水対策本部をつくろうと言っていたぐらいに水不足だったんです。あっと言う間に反転してしまいまして、まるで水が邪魔者になりましたが、あのころは水が一滴でも欲しいということだったんですね。ですから、確かに旧土木部、県土整備部を中心に、御笠川にしゅんせつをしていただき、流域を整備していただき、さらに調整池といいますか、水をためるところもつくっていただいたと。県土整備部だけではなくて、建築都市部だとか、流域の市町、そういうところにもきちっと県として、雨が降ったときの水を区域内から余り川に負担をかけないようにする、つまり、自分のところの屋根に降った雨水ぐらいは自分のところにためておこう、敷地内にとどめよう、地下に戻そうというような連携事業をしないと、幾ら河川を整備しても、越えてしまえば同じ被害になってしまうと。それよりも、消防防災課がかなめとなって県土整備部、建築都市部、そして市町、そういう流域の行政と連携をした新しい形の、よそではやっているんですが、水を抑える治水の対策を考えるべきではないかと。川が悪いんじゃないんですね。流域の水対策が悪いので、その水は貴重品なので、ぜひ何とか資源にとどめておいて、災害の元凶ではなくて、資源にかえていくという、そういうものに積極的に取り組んでいただくような対策もしていただきたいと思っておりますので、これは要望で終わりますが、よろしくお願いします。

◯井上順吾委員長
 よろしくお願いします。
 では、ほかにありませんか。浜崎委員。

◯浜崎達也委員
 写真にございます南畑ダムの河川被害の経過ですが、知事もインタビューをやっていたんですけれども。私どももずっと現場を回っていて、ほとんど見ていないというか、きっちり見ていなかったのですが、きのう、那珂川町の私どもの町議、議員のほうから、被害者のところをずっと回っていますと、誤って伝わっているのか、これは人災だと言っているところも結構あって、ダムのいわゆる調節がまずかったというような風評的なことも漏れ伝わっているんです。そこで、一回整理した部分で、課長のほうで集約されている分を教えてもらえませんか。

◯井上順吾委員長
 中島消防防災課長。

◯中島消防防災課長
 このダムの関係は、所管の河川課のほうで調整いたしていますから、河川課のほうから私が聞いた分ということで御紹介させていただきますと、七月二十六日、朝から降り始めた雨が南畑ダムへ流入が増加して、十時の時点で毎秒二百二十一立方メートルの流入量に達したと。このためダムの水位が上昇いたしまして、ダムの洪水調整容量、もともとダムには、洪水期には水面を下げて、雨がたまっても洪水を調整するような機能があると。ただ、二百二十一立方メートルを記録したので、洪水調整の容量の上限を超えるという予測がなされたので、十一時の時点で、十二時から放水することを関係機関、市役所とか消防ですね、これはダムを放流する場合には一時間前に関係機関に通報するというふうになっているらしいんですが、そこへ通知するとともに、関係機関と調整を行った。要するに、放流しないとダムが決壊するからということで調整がなされたんですけれども、十時ぐらいが雨のピークだったんですが、その後、ピークを越えて、雨に伴うダムの流入量も減少して、しかも、福岡市のほうから、下流のほうはかなり水位が上がっていたので、何とか放流をおくらせてくれないかということがありましたので、十二時からの放水を三十分見合わせたということです。ですから、十二時からの予定を十二時三十分からというふうに延ばしたと。ただ、その後も、ちょうど雨も小降りになってきたんです。ダムへの流入量も減少してきたので、十四時時点で、雨が降る可能性がなくなったということで、結局は緊急放水には至らなかったというふうなことを聞いております。

◯浜崎達也委員
 福岡市のほうは、多分、十一時に連絡が市のほうに行って、下流のほうは橋が埋まるぐらいになっておったと。もう一つは、満潮が十二時二十分ぐらいだったですよね。これでもし十二時から流しておけば、一時的にもがっといったというのがあって、三十分のタイムラグで何とかなったと思うんですが。その前にここの部分は、これは消防防災課に言うことじゃないんでしょうけど、前日の予測が難しかったと思うんですけど、前日にもうちょっと出しておけばと。これは結果論なんですが。それで、結局、ダムの量が新聞によると一四〇%かなにかになっておったということだったと思うんです。ここの部分で三十分、もしあれが今おっしゃったように十一時以降もずっと午前中降れば、これは大災害、もっとひどかった。これは福岡市及び那珂川町、ちょうど福岡市の南区、私のところからずっと通っているところでございますので、私もずっと川におったんですよ。十二時過ぎぐらいからどっと流れが速くなって、これは助かったかなというのが実感としてあったんです。大体わかりました。いいです。

◯井上順吾委員長
 原竹委員。

◯原竹岩海委員
 さきの土木災害で被災に遭われました方にはお見舞い申し上げると同時に、皆様方、休みもなく御尽力をいただいていることに県民の一人として敬意を表したいと思っております。
 私どもの地元の筑紫野市、身近な問題でございますけれども、山家という地域がございまして、私が市会議員のときに、一期先輩の平山英雄さんという方が残念ながら御自宅の納屋の中で亡くなって、息子さんは辛くも助かったということでございます。葬儀にも参列をさせていただきました。こういったところで、うちの市も災害は大きいわけでございまして、あしたでございますが、地元選出の県会議員と市長を先頭に、被災地をしっかり回るということになっております。さきの説明では、今後とも被害が報告されたら十分対応したいということでございますので、私ども県会議員もしっかり見てまいりたいと思っておりますので、迅速なる対応を強く要望を申し上げたいと思っております。以上です。