平成26年2月議会 一般質問

 

3月10日 原竹岩海
次に、「教育委員会制度の見直し問題」に関して質問します。


 我が国の教育委員会制度は、昭和23年、戦後教育改革の時期に設置されました。 本制度の主な特徴として、教育行政の地方分権・民主化・自主性の確保の理念のもと、教育行政の安定性、政治的中立性を確保し教育委員会法に基づき、全ての都道府県・市町村に設置されました。


 当時は、地方自治体の首長から独立した公選制と合議制の体制で予算・条例の原案送付権や小中学校教職員の人事権もあったようです。
しかし、「教育委員選挙投票率の低迷や首長と教育委員との政治的対立や教育現場の混乱などにより、当時の教育委員会制度の弊害が各界から指摘され、昭和31年に政治的中立の確立と一般行政との調和を目的として、これまでの教育委員会法にかえて「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が新たに制定され、公選制の廃止と首長が議会の同意を得て教育委員を任命するとした制度を導入しました。
その後も、平成11年には地方分権一括法による制度改革や、平成13年及び19年には、教育委員会の活性化に向けた制度改革などがなされ現在の教育委員会の体制になっています。

 

 現行制度での教育委員会は、原則5人の委員をもって組織されますが、自治体のスケールによって条例で定め、3人~6人以上とすることもできるとなっています。その他、委員の構成については委員の過半数以上の委員が同一の政党に所属することができないとされ、政党等の役員就任や積極的な政治運動も禁じられています。
そして、委員の年齢・性別・職業等に著しい偏りが生じないよう配慮すること。委員長は教育長を兼務することはできないし、教育長が委員長を兼務することもできないとなっています。

 

 これら教育委員会制度発足から半世紀以上経過した現在において、教育委員会制度の意義や果たすべき役割等について議論されていた最中に、大津市で中学生のいじめに関する自殺事件が発生をしました。この悪質な事件に対して地元の教育委員会が機能しなかったことが社会で大きな問題となり、教育委員長と教育長と首長との責任のあり方や、教育委員会廃止論が大きな声になってきたことは周知のところであります。

 

 このような中、去る2月19日には、法案化に向けた新しい教育委員会制度について大きく報道がなされました。その内容は、教育委員会は執行機関として残しつつ、

 

①現在の教育長と教育委員長を一本化した新「教育長」を置く事とし、これを首長が議会の同意を得て、直接任命・罷免すること

②首長が主催する「総合教育施策会議」で教育行政の大綱的方針を定めること、また

③国の関与が強化できるよう法律の規定を改めることなどが盛り込まれています。

 

 これらを踏まえ、知事にお伺いします。

 

知事は、昨年12月議会において、わが会派の大橋議員の本委員会改革に関する質問に対して、「地方行政の最終責任者は首長が望ましいとされ、教育長は首長の補助機関と位置づけるべきと考える。」と明快に答弁されています。これは、昨年7月に全国知事会が国に提出された意見書の内容に沿ったものでありますが、この全国知事会の意見書には「この度の教育委員会制度改革においては、国の関与は最小限のものとする必要がある。」とも明記されています。
そこで知事に質問ですが、

 

 現在政府与党で検討されている国の関与の強化策とは具体的にどのようなものなのかお伺いします。

 

 また、このような国の関与を強めようとする「立法化」を検討されていることについて知事はどのように受け止められておられるのかお聞かせください。

 

 次に、教育長にお伺いします。


 1点目に、現在法案化に向け、政府与党において検討されている教育委員会制度改革について、どの様に考えておられるのかお伺いします。

 

2点目に、教育委員会制度が変わっても、重要なのは教育の内容や質が充実されることであると認識をしています。

 

この点について、教育委員会として、どの様に考え、どう取り組んでいかれるのかお伺いします。